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山形そばを食う会

第335回 山形市「きふね」の巻

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山形三たてそばを食う会
第335回 山形市「きふね」の巻

桜の季節には「さくら切り」が似合う
ハプニングとおめでたのそば会でした
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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当初の予想よりやや遅れ、山形市霞城公園の桜も満開。この季節のそばはやはり「さくら切り」でなければならない。今回、相澤先達が選んだ会場は、山形市天神町の「きふね」である。天童との町境近く、山形三たてそば会の会員にはおなじみの店だ

 
 定例のそば会だが2、3月と変則が続いた。2月は直前に事情が発生し、同じ村山市内ながら別会場に変更になった。3月は山形市内の老舗店が閉店することになり、会員各自がそれぞれ店に行く「さみだれ例会」になった。この日は久々の通常例会である。
 ところが…。この日もハプニングがあった。仙台グループのうち、電車で向かっていた3人が、来られなくなったという。車両トラブルが発生、仙山線が不通になった。世の中何があるか分からない。
 
 席に就くと、そば前の肴が用意されている。メーンの皿には出汁巻き卵、ウドの味噌和え、白菜の漬物の3点。次の小鉢は竹の子としらたきの煮物、そしてもう一つの小鉢は行者ニンニクの納豆和え。
 相澤先達があいさつに立つ。「仙台からのお3方が残念ながら引き返した。そして…」。もう一つの話題はおめでたいニュースだ。相澤先達執筆の戯曲「伊江島-辺野古をおもう-」が総合演劇誌テアトロ5月号に掲載された、という。「わたしの本業です。アイザワが何者かは、これを読んでもらえば分かります」。
 定価1,300円のところ、特別価格1,000円。次々手が挙がり、用意した15冊はたちまち完売。
 初参加者の紹介があり、「乾杯」。この日のお酒は、米鶴酒造(高畠町)の特別純米吟醸「亀粋」などである。現地集合のお達しのせいか、飲めない参加者も多く、一升瓶(一升は1・8㍑)がテーブル間をあまり移動しない。
 
 差しつ差されつするうち、天ぷらが出てくる。フキ、ヨモギなど季節の山菜に加え、アマドコロもある。突き出しの行者ニンニクといい、主人の伊藤隆二さん(48)の心意気が感じられる。塩でいただく。
 お待ちかねのそばは、さくら切りと普通の2色盛りで登場。さくら切りはほんのり桜の香りがする。ボリュームも十分である。

 

 最後に伊藤さんご夫婦があいさつに立つ。暮色の中を友人の車に揺られながら、満ち足りた気持ちで家路に就いた。

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/04/26

第334回 山形市「羽前屋」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第334回 山形市「羽前屋」 の巻

1世紀続いた老舗のそば店よさようなら
羽前屋らしいメニューでお別れしました
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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山形を代表する老舗そば店の灯がまた一つ消えた。羽前屋(山形市旅篭町)である。

 
 相澤嘉久治先達からの3月そば会案内状は、苦渋に満ちたものだった。「羽前屋さんが今月(3月)いっぱいで閉店することになった。本来ならば羽前屋さんでそば会としたいところですが…」とした上で「お手伝いするご家族の事情もあっての閉店で、30人規模のそば会をお願いする状況ではありません。変則ですが会員の皆さんはグループごとに、あるいは個人でそれぞれが今月中に羽前屋さんに行って最後の羽前そばを賞味してください。それをもって今月のそば会と致します」。つまり、さみだれ参加である。
 例会恒例日の第3日曜日、そば会の相澤代表、浦井雄治副代表(仙台市)と連れだって、店を訪れた。閉店のうわさを聞きつけたのだろう、20人ほどが外に並んでいる。外で待つこと40分。さらに中で順番待ちし、テーブルに座るまで計1時間。いくら老舗店とはいえ、普段はないことである。
 
 最後だから羽前屋らしいものを頼まねばなるまい。浦井さんと2人、まずは羽前もりである。プラス天ぷら盛り合わせ。2人で1皿を頼む。相澤先達は「羽前もりは食べきれないな」と天付羽前にする。
 この店らしいメニューの代表が羽前もり。1.5人前のボリューム。天ぷらの盛り合わせもこの店らしい。白身魚、エノキ、竹輪、ノリなどにたっぷりのおろしが添えられている。羽前もりも、天ぷらも自ら「大衆的」を掲げる姿勢にたがわず、ボリュームや品数の割にはお値段はリーズナブルなのだ。
 
 「本当に手打ちを貫く店は減っている」。山形のそば業界に詳しい相澤先達は話す。基本に忠実、シンプルな姿勢。それがファンに通じているからこそ、閉店を惜しむ客の列ができる。相澤先達の元には「最後の羽前屋を堪能して来ました」というメールが会員から何通も届いた。「さみだれ参加」と言うときれいごとの呼び掛けに聞こえるが、会員は相澤先達の気持ちに応えてくれている。羽前屋の何たるかをそば会の会員は知っているのだ。
 
 最後と思うと、仙台から参加した筆者も感情がこみ上げる。そば湯を、つゆが無くなるまでゆっくり味わった。
 さようなら庶民の店。さようなら羽前屋。その心意気は永遠に。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/04/02

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