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山形そばを食う会

第284回 村山市 「あらきそば」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第284回 村山市 「あらきそば」 の巻

多くの物語を生んできた  〝あらきそば〟での濃密な時間
 
千明 久枝(仙台市青葉区在住)
 
写真1
写真2
写真3
テーブル

 秋たけなわ! 実に美しい日和の十九日の昼さがり、私たちはそば会にむけ仙台を発ちました。
今回の会場は村山市大久保にあるあの憧れのそば処〝あらきそば〟です。
その太さ、かたさは田舎そばの代表格でもありましょう。大きな板そばの器には魂消ます。
でも気がつくと盛られたおそばはすべて胃袋の中へ―。久々にそばらしいそばを食べた気がします。
 二日がかりで煮上げるというニシンは圧巻です。黒々とした色も味も姿も以前と寸分変わらず在り続ける〝あらきそば〟の名にし負う一品。
奥様に食べさせたいとラップに包み持ち帰る人。これまで二度、店まで来て満席のため空振りに終り、ようやっと「本物に出会えた」という殿方。
それも六十年も経ってしまったのだとか―。
 そば会の夕、卓を共にした男たちの思いには〝あらきそば〟がその生業を変えることなく守り続けてきた事に深く繋がっているように思います。
つくる人の思いと食する人の思いが昨日、今日の「縁」では決してないのだろうと―。
藁葺き屋根の〝あらきそば〟の佇まいを訪ねてはこれまで多くの人々が、各々の思いを残して去って行ったに違いありません。
〝あらきそば〟をまん中に据えるだけで、多くの物語が思い思いに顔を出す。濃密な時が経ち秋の日はとっぷり暮れて居りました。
 〝あらきそば〟私しゃあんたの蕎麦がいい!

 

四十年ぶりのあらきそば   今回の企画に感謝、感謝
 
三好 悦子(仙台市青葉区在住)
 
 学校卒業後就職した会社の上司は、山形市出身でした。
二十代の私へ「三好君、美味しいそばを食べに!」と、日曜ドライブに誘って下さいました。私の中でそばは未だ市民権を得ていない頃です。
 ドライブ後到着した藁葺き屋根の建物で、見て味わったものは驚きの連続。その後しばらくの間は、そば屋は遠のいてしまいました。
 全国での格付けを得たあらきそばに、四十年のブランクを経ての今回のそば会に参加して、企画の相澤氏へ感謝、感謝でした。
自ら足を運ぶ機会はきっと無かっただろうと思えたからです。そば会の良さは、こうした出会いにもあるのです。
 秋らしく茄子の品々、十分に煮含んだ大根の煮物、小女子の天麩羅の大皿盛り、香の物、看板でもある黒くつややかな鰊の煮つけ、そして板そば。
どれも見て良し食べて良しの大満足でした。
 室内を見わたせば艶やかに黒光りし、歴史の重みと風格がただよいます。
 挨拶に立った相澤氏の言によれば、こよなくこの店を愛されたという山本安英さんと木下順二先生の記念の品や、
新庄で作られているという鶴と亀の藁細工がさり気なく対面した柱に飾られ、とても良い風情を醸し出している、今回のそば会〝あらきそば〟でした。
 

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2014年10月号 | 情報更新日:2014/10/31

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