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山形そばを食う会

第269回 山形市 無想庵つくもそばきり の巻

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山形三たてそばを食う会
第269回 山形市 無想庵つくもそばきり の巻

 
暑さには熱いカレーそばで対抗、参院選当日らしい〝脱線〟も老舗がかもす雰囲気の中なごやか進行
 
穴澤 鉄男(元河北新報山形総局長)
 
せいろそばせいろそば
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3点盛り山形名物「だし」の掛かった冷奴、むきそば、身欠きニシンの甘露煮、ワサビの酒粕和えの3点盛り
締めNTT OB・武田さんの真室川音頭で和やかに締める

かつては日本一の猛暑記録を持っていた、山形市。
そば好きを自認するわれわれが、この盛夏どんなそばを食べて暑さを乗り切るか。加えて、7月は玄そばの端境期。味が落ちるのは、避けられぬ。

わが相澤先達は一計を思いついた。暑さには熱いカレーそばで立ち向かおう。カレーそばの後は、冷たいせいろで締めくくれば「熱」「冷」の対比も楽しめる。それができる店は、練達のそば職人・狩野繁治さんの「無想庵つくもそばきり」しかない、と。

会は相澤先達の、タブーに触れる異例の挨拶で始まった。「269回の歴史を持つ三たてそば会は、ただの一度も政治の話に触れたことがない。今日はあえて禁を犯し、本日投開票の参院選に山形選挙区から立候補している女性候補者Fさん(みどりの風現職)の当選を信じ、『前祝い』の席としたい」。Fさんは、やはり女性候補のOさん(自民新)と激しく競っている。「私はずっとFさんを応援してきた。この中に自民を支持する方もおいでかもしれないが、今日は私の顔に免じて…」。

相澤先達がこの日用意したそば前は、Fさんが住む小国町の地酒「羽前桜川」。銘柄紹介まで話が進み、やっと参院選と「そば会」の話がつながった。

予期せぬスタートとなったが、そこは先達の人柄、政治に触れたことに異を唱えたり、私は自民候補を支持する、と宣言したりする人はなく、いつものように会はなごやかに進行する。最大の関心事は、いつもながら「そば前」の本数である。先達が用意したのは、小国町の地酒を含め一升瓶(1升は1・8リットル)2本。この日も差し入れが1本あったが、先達は「宴会になっては困るので」と、その1升を片付けてしまった。

「つくも」は、地元産中心の玄そばを石うすで自家製粉し、つゆは鰹枯本節を引いた出汁を本がえし醤油で整え、薬味は山辺町産の本ワサビを用い、と徹底した本物志向の伝統店。そば前の「当て」も実にシンプルである。銘々に用意された二段重ね器の上段は、山形名物「だし」の掛かった冷奴、下段はむきそば、身欠きニシンの甘露煮、ワサビの酒粕和え、の3点盛り。ほかはテーブごとに用意されキュウリ、ナスの漬物だけ。そばの味を邪魔しない、という気配りからだ。

肴が控え目であるにもかかわらず、ほどなくして参加者は「せっかくの前祝いだから、もう1本も出して」と、先達へ大合唱。3本を、一滴残らず空にした。午後5時開始という時間帯も影響したか。

そば前タイムが終わり、満を持して出されたカレーそば。「あれっ?」と感じたのは私だけではなかったよう。そばの上に、ドバっと黄色いカレーが盛られているのをイメージしていた。実際はカレー味のスープに麺が泳いでいる。

締めのせいろは、やぶ系の中細。奥行きのあるつゆで頂く。2枚がやっとだった。

外は既に暗い。何とか宴会にならずに済んだ。

 


そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2500円です。

カテゴリ:2013年8月号 | 情報更新日:2013/08/05

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