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山形そばを食う会

第263回 山形市 寿ゞ㐂総本店 の巻

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山形三たてそばを食う会
第263回 山形市 寿ゞ㐂総本店 の巻

 
大震災から2度目の正月、牡蠣そばを味わいながら、3・11の記憶を反すうする新年会
 
穴澤 鉄男(元河北新報山形総局長)
 
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CIMG0455天ぷらの盛り合わせ
CIMG0455前菜4点盛り
CIMG0455そば寿司
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新年会は本来、おめでたい席である。わが三たてそば会の1月月例会は、当然ながら新年会となる。

ところが…。東北人である以上、東日本大震災を忘れてもらっては困る。今回の寿ゞ㐂総本店を会場にした例会参加者は二十四人(気仙沼市1名、石巻市1名、名取市5名、仙台市10名、そして山形市7名)。その中に、家族を亡くした方が2人含まれていた。3・11以降二度目の正月を迎え、図らずもあらためて震災を振り返る場になった。

263回を数える三たてそば会は、長く会場を固定し、定員16人、酒は2人のお酒当番が用意するルールだった。数年前、山形県内の隠れた名店を巡る方式に改められ、同時にメンバー固定からオープン参加制になった。お酒代は毎回の会費に含まれ、定員も原則無制限に。以後参加者は漸増し、今では地元山形県からよりも宮城県からの参加者の方が多い。そば好き同士がうんちくを傾けるクローズドの会から、「出会いの場」の性格が強くなったのである。

今回は初参加者が5人いた。あらためて全員で自己紹介を、となり、宮城県在住者は大なり小なり被災していることから、場は震災を振り返る流れになった。

とは申せ、新年会はあくまで新年会。会は相澤先達の「あけましておめでとうございます」のあいさつで始まった。この店を選んだ理由を「寒いこの時期、どうしてもこの店の熱々の美味しい牡蠣そばが恋しくなる」と説明。

新しい参加者は特段反応を示さなかったが、実はこの選択、掟破りなのである。三たてそば会の幾つかの掟の一つに「種ものはご法度」がある。その掟は昨年この店を初めて使った際、破られた。ただし、この店以外ではその掟は守られているけれども。

掟を破るのはいいとして、実は先達には別の悩みがあった。「種もの」「せいろ」の両方を出していただくには、店への支払いが増える。毎回と同じ会費でその問題をクリアーするには、お酒を別の方法で調達するしかない。案内状に「正月…地酒の差し入れお待ちします」のアピールがあったのはそのためだ。それに応え、一升(1・8㍑)瓶五本、四合(720㍉㍑)瓶三本が持ち寄られた。この人数でも十分な量である。

そば前の肴は、前菜にウルイあえもの、鶏肉ボイル、山芋サーモン巻き、菜花の四点盛り。ウルイは初物だ。次はそば寿司、続いて天ぷら。切り昆布炒め、青菜漬けが大皿で出る。オーソドックスなメニューを味わいながら、そば前が進む。

酒瓶がほぼ空になったころ、お待ちかねの牡蠣そばが登場。ハーフサイズではあるけれど、惜しみなく牡蠣が入っている。牡蠣は、松島湾産。その牡蠣から滲み出た汁の美味しいこと……味わうというよりは、夢中でかき込んでしまった。そして、せいろ。こしが強い二八そば。一枚お代わりし、そば湯で締めくくった。

そば前、肴、そしてそばを味わうだけの場とは異なり、震災の記憶を反すうする、余韻のある会だった。

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2500円です。)

カテゴリ:2013年2月号 | 情報更新日:2013/02/01

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