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山形そばを食う会

第259回 山形市 そば茶屋・そば居酒屋 扇や の巻

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山形三たてそばを食う会
第259回 山形市 そば茶屋・そば居酒屋 扇や の巻

 
そば文化愛好者のすそ野を広げよう!?
 
穴澤 鉄男(元河北新報山形総局長)
 
 

 
CIMG0455乾杯
CIMG0455カルパッチョ
CIMG0473スープ
こと「そば」に関する限り、わが相澤先達は原理主義者である。端的な例が、そば前に関する考え方だ。そばが出るまでのいくばくかの時間を楽しむお酒が「そば前」。おそばをおいしく頂く「小道具」のはずなのに、酔ってしまうのでは本末転倒。そば前ではなくなる。
 
今回の会場、そば茶屋・そば居酒屋「扇や」を知らせる案内はがきに「『あら玉』の改良信交特別純米でしみじみ噛みしめながら(がぶ飲みしないということ)…創作蕎麦二品の味を」とあるのは、そんな相澤先達の思いからだろう。改良信交は、幻の酒米と言われるほど貴重。それを原料にした特別純米酒は、とても「がぶ飲み」できるお値段ではないのだが、あえてそう書かざるを得ないところに、昨今の「三たてそば会」の危機がある。
 
相澤先達は今日の舞台の演出を、あら玉特別純米酒による静かな乾杯でスタート、と決めていたに違いない。一歩先の現実は常に不確定である。宮城県から新たに参加した方が、あいさつ代わりに吟醸酒「蔵王」(白石市・蔵王酒造)を差し入れ、乾杯酒がそれに代わった。
 
さて問題なのが、料理である。まずテーブルに用意されたのは、キュウリ、ナスなど漬物の盛り合わせ。ここまでは、これまで何回も目にした酒の「当て」である。続いて「卵焼きのあんかけ」が出て「え?」と思う。次に「マグロのカルパッチョ」が登場。牛肉の薄切りを使ったカルパッチョはイタリア料理だが、牛肉の代わりにマグロを使うのは「和洋折衷料理」だと、ものの本にはある。少なくもイタリア風料理、である、いわゆる創作料理だ。極めつけは「手作り野菜のチーズ焼き」。ジャガイモ、アスパラガスなどに、とろけるチーズを乗せてオーブンで焼く。店の方に聞くと、料理名はまだない。試作品ということか。
 

 
CIMG0473ピザ
CIMG0452冷やし鶏そば
CIMG0447サラダそば
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日本酒にイタリア風料理、チーズ料理、という取り合わせは、邪道とは言えない。でも、それが「そば前の当て」となると、話は違ってくる。たしかに、味の点では参加者の反応は、上々。皆さん、そば会らしからぬ料理にやや戸惑いつつ「おいしい、おいしい」と箸を運ぶ。特に、女性には好評だった。
 
さて、主メニューのそばである。「創作蕎麦二品」と予告があったうちの一品は、意表を突くものだった。料理名は聞けなかったが「そばサラダ」と でもいうべき作品。器にレタスを敷き、そばを盛り、そこに玉ねぎなどの野菜、鰹節などが盛ってある。器の底にある少量のドレッシング? で混ぜ合わせなが ら頂く。もう一品は、冷やし鶏そば。山形でよくメニューにある「冷やし肉そば」は、写真だと温かいのと見分けがつかぬ。この新メニューは、トマト、キュウ リなど野菜をあしらい、厚手の鶏肉が二枚。どこか洋風の、やはり創作蕎麦なのだ。
 
あれほど「そば前」にはうるさい相澤先達。洋風のそば前当て、そばの創作メニューにはいたって寛容。原理主義者はどこに行った?
 
ま、若者の和風離れを見据え、洋風も大胆に取り入れる動きに目配りする、そば文化愛好者のすそ野を広げようとの計算があるとみた。
 
 
(そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2500円です。)

カテゴリ:2012年10月号 | 情報更新日:2012/10/01

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