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山形そばを食う会

第258回 山形市 そば・会席料理 なかや の巻

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山形三たてそばを食う会
第258回 山形市 そば・会席料理 なかや の巻

 
会席料理の店で歌合戦 参加者の常識知らずか、料理のおいしさがそうさせたのか?
 
穴澤 鉄男(元河北新報山形総局長)
 
 

 
CIMG0455美声を披露する女性軍
CIMG0473男性軍の肩を組んでの大合唱に女性軍からは惜しみない拍手が
CIMG0473店主御夫妻と息子さんを囲んで

食べ物を提供する店の雰囲気とは、不思議かつ微妙なものである。店のネーミング、立地、店構え、室内のあつらえ、庭、テーブルコーディネート、そして肝心の味。従業員の立ち振る舞いや、音の管理も重要だ。

今回、相澤先達から案内状を受け取った瞬間「これは期待できそうだな」と感じた。「例会場はそば・会席料理『なかや』」「見事な庭園を眺めながら、繊細なそばを賞味したい」とある。

奥まった住宅街にまぎれた、隠れ割烹…といった演出はよくある。「なかや」は、ぎらぎら日が射す中学校に隣接している。そんな外界と、地味で落ち着いた店内を画然と遮断しているのが、白漆喰の塀である。看板は、白地に黒で「そば田舎料理 なかや」。決して大きくも派手でもない。

玄関にはお定まりの暖簾がなく、縄で柱につるされた「営業しています」の小さな板で開店中と分かる。やはりイメージ通りだ。

座敷に入っても、期待は裏切られない。外界を忘れさせる、落ち着いた庭と池。テーブルには紙膳に箸袋。これから出される料理への期待をかきたてる。

 

 
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ところが、である。相澤先達がいつの間にか着物姿に着替え、正座した。着物姿は、会席料理の店に合わせた演出だろう。でも、正座は何だ。「実は、皆さんに了解いただきたいことがある。私が勝手に決めたことなので、嫌な人は従わなくていい」。やっぱり大事な話があったのだ。「この店は単なる蕎麦屋ではない。正式でなくても会席料理らしきものを出していただくと、通常の会費では収まらない。一人五百円の追加徴収をお願いしたい」。参加者みんなが会席料理を期待しての参加である。だから総勢二十二人、うち女性十一人という、この店で収容できるぎりぎりの人数に膨れた。誰にも異存あろうはずがない。正座して了解を求めるのが先達の人柄。

以下、前菜「夏野菜と蕎麦米の翡翠寄せ」などに始まり、煮物、揚げ物と料理が続く。我々素人には、どこが略式でどれが正式か区別できないが、いつもの「そば前の当て」などとは全く異なる会席料理のフルコースと受け取った。お品書きまで配られたが詳細は省く。

会の雰囲気が妙な方向に走ったのは、二人前はあろうかという板そばでお腹を締めくくった後だ。女性陣の中のいつもの歌姫二人に、リュクエストが入る。それが終わると、男女両軍に分かれての歌合戦が始まったのだ。女性軍が「ふるさと」、男性軍が「高校三年生」。男性軍は円陣になり肩を組み、まるで還暦過ぎの同級会。

なぜこんな展開になったのか。おいしい料理とおそば、適度な酔い、そして外界と遮断された和風の世界。いい店の雰囲気はここまで人の心を和ませる。

(そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2500円です。)

カテゴリ:2012年 9月号 | 情報更新日:2012/09/01

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