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山形そばを食う会

第257回 山辺町 そば処 弁天 の巻

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山形三たてそばを食う会
第257回  山辺町  そば処  弁天 の巻

 
粉も水も、ワサビまでもが地元産。地域へのこだわりこそ、遠来の客への最大のもてなし
 
穴澤 鉄男(元河北新報山形総局長)
 
 

 

CIMG0455吉田さんご夫妻
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山形三たてそば会が例会で二回ほどお世話になった「玉虫湖畔荘」(山辺町)を、町当局の依頼で長く仕切っていた吉田正春さん(65)夫妻=山辺町在住=。

湖畔荘が町の事情で閉鎖されたのを機にご夫妻が独立し、最近同町内にそば店を開いたという。

相澤先達が「お祝いを兼ねて、駆け付けねばなるまい」と考えたのは、当然である。

先達の心意気を感じ取ったのだろう、この日の例会には、29人が駆け付けた。私が参加した例会で、記憶に残る限りでは最大の参加者数だ。

吉田さんの、店作りのコンセプトは極めて分かりやすい。徹底的に「地元」にこだわること。地元栽培の粉を使い、地元の水で打つ。

だから店の場所は、町内の名水「弁天清水」から歩いて2、3分の小高い丘を選んだ。

今回訪れて、店構えの大きさ、働く人の数の多さに驚いた。一度に5、60人の客は十分に迎えられる。

話を聞いて、その理由が分かった。地元のそば好きに呼びかけ、作谷沢そば生産組合(吉田肇組合長、五人)を結成、運営に当たっている。

店では、組合員の家族総出でお客さんをもてなす。あくまで地域振興が狙いである。

地元志向という意味では、同じ建物内の製粉所で粉をひき、店で出すワサビまで組合員自らワサビ畑で栽培する徹底ぶりだ。

とは言っても、経営が成り立たなくては、元も子もない。営業は、金、土、日の週三日のみ。それも午前11時から午後2時まで。限られた日にち、時間で一定の売り上げを出すには、それなりの店のスペースが必要だ。地に足が付いた計算が背後にある。

 

 

CIMG0452そば前の「当て」5品
CIMG0447ジュンサイ
CIMG0448バイカモ
CIMG0449ワラビ
CIMG0451イワナの唐揚げ

さて、前置きが長くなった。店内のテーブルはすべて、分厚い一枚板で作られた、どっしりしたもの。椅子席もあるのだが、そば会の参加者は畳敷きの小上がりに、ぎゅうぎゅう詰めで何とか全員が座れた。みんなの関心は、テーブルに用意された、そば前の「当て」五品に集まる。

ワラビ、ジュンサイはすぐ分かる。魚の唐揚げは、イワナだろう。分からない小鉢が二品あった。まず、みんなの関心を集めたのが、オカヒジキに似た緑の濃い野菜(?)の和え物だ。早速、吉田さんに尋ねる。「この辺ではキンギョグサって呼んでるけれど、正式には何というのかなあ。清流でないと育たない水草だ」。会員の中に、植物に詳しい女性が居て「バイカモ」が正式名称と分かる。夏に、梅の花に似た白い花を咲かせることに由来する名称らしい。

もう一品の味噌和えも、分からない。これは、組合で栽培しているワサビ菜だ、と吉田さんが種明かしする。「イワナも地元で捕れたもの。今日お出しするのは、お酒を除いてすべて地元で取れたものばかりです」と吉田さん。

「乾杯」の発声に始まり、にぎやかな蕎麦前タイムが始まる。今回のそば前には、店の名前にちなんで、高畠町の銘酒「辯天」も用意された。会員の差し入れである。吉田さんに、参加者からさまざまな質問が飛ぶ。初参加の方も何人かいたのだが、恒例の自己紹介もどこかに吹っ飛んでしまった。

 

 

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CIMG0477弁天清水

お待ちかねのそばは、ザルで出る。自家栽培のワサビが真ん中にしっかり乗っている。そばはやや硬め。通常の二人前はあろうかというボリュームである。

終わって、吉田さんに「弁天清水」に案内していただいた。透き通った水が、音もせず、こんこんとわき出ていた。手ですくって飲む。まったく癖がない、柔らかい味。この水あっての、弁天そばと納得した。

(そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2,500円です。)

 

カテゴリ:2012年 8月号 | 情報更新日:2012/08/01

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