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山形そばを食う会

2017年1月号

第332回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第332回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

ぷっくりのかきそばを堪能、お腹も心も満足
新年会らしくお酒も十分頂いたそば会でした
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 山形はやはり雪だった。暖冬の予報通り、今冬の仙台は本格的な積雪がまだない。

 
 1月の例会は、恒例「寿ゞ㐂総本店」(山形市宮町)での新年会である。目玉はもちろんかきそば。相澤先達からの案内状には「北山形駅から徒歩5分」とあったが雪を見るとタクシーになる。
 新年会と銘打っているせいか、会場はどこか華やいだ雰囲気である。差し入れのお酒が何本か見えるせいかもしれない。
 席には銘々に突き出し、テーブルごとに漬物盛り合わせが用意されている。一升瓶(一升は1.8㍑)がテーブルごとに立てられる。まずは乾杯である。
 
 順序は逆になるが、乾杯後相澤先達があいさつに立ち、三たてそば会とはそもそもどんな会であるか、説明がある。新年らしい展開である。
 各テーブルでは、差しつ差されつ、飲みながらの懇談が始まる。「そば会のお酒は2本まで」。普段は原理原則にうるさい相澤先達だが、この日ばかりは差し入れのお酒もすべて出される。続いて出てきた肴はむきそば。次に天ぷらである。マイタケ、カボチャ、ナスの盛り合わせ。
 
 肴はやや控えめなのに、お酒いつもよりたっぷりである。相澤先達が用意したのは、生酒と超辛純米など米鶴酒造(高畠町)の3本セット。お酒がはかどる。肴が先に無くなって、漬物のお代わりを店の人におねだりする人もいる。
 初参加者、久々の参加者の紹介、あいさつが続く。
 そうこうするうちに「かきそば」の登場である。この時期、店の看板メニューであることは、玄関にかきそばだけがメニューとして看板が出ていることでも分かる。
 出されたのは、ハーフサイズのかきそばである。とは言っても、ぷっくり牡蠣が2個どんと乗っている。セリ、おろし、切り昆布も添えられてフルサイズとそん色ない。市内の他のそば店ではこのメニューはまずお目にかかれない。
 多くの人があっという間に平らげる。やや間があって、締めはせいろである。デザートが出てお開きとなった。
 お酒が入ると、またタクシーとなる。「ワンメーターの距離なのに」との声もちらほら。酔いも手伝って、お腹も心も満ちて家路に就いた。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/02/05

第326回 中山町「和風れすとらん むら熊」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第326回 中山町「和風れすとらん むら熊」 の巻

映画上映、芸能披露、そば会の3本立て
相澤先達の人脈が生んだぜいたくな構成
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 いつもの会費でこんなぜいたくなそば会があっていいのだろうか。通常のそば会に加え、第1部として映画上映、第2部そば会の中ではプロの歌舞団による芸能披露…。今日は3本立てである。
 5月の例会が、変則日の開催となり、常連からブーイングが起きたことは、ことし6月号で触れた。ところが、7月例会もルールより2週間遅い最終日曜日の29日開催になるという相澤先達からの電話連絡である。その理由が、会場の中山町長崎「むら熊」に来て分かった。
 着くと店2階の大広間はほの暗い。上映されたのは、相澤先達自身が製作・脚本・主演したドキュメンタリー映画「みんなで創った阿波根昌鴻(おじい)の舞台」。昨年10月に山形市で開かれた映画完成祝賀会では、ダイジェスト版の披露だったが、今回は1時間53分の完全版だ。
 プロによる芸能とは、兵庫県姫路市を本拠地とする民族歌舞団「花こま」の手になるもの。
 一行4人の団員とそば会参加者は大広間で一緒に映画を鑑賞。第2部のそば会では、花こまの皆さんは「おはやし」「寿獅子」の2演目を披露した。「おはやし」は和太鼓、笛、鉦でのにぎやかな演奏。「寿獅子」は縁起物で1人立ち獅子での熱演の後、参加者の頭を噛んで回り無病息災を祈った。もちろんノーギャラの特別サービスだ。
 相澤先達は、伊江島での反戦活動に学ぼうと沖縄通いを続けているが、その伊江島で「花こま」と出会い、交流を続けている。同歌舞団はこの夏1カ月にわたる公演のため北海道に向かうが、この日山形に「寄り道」した。相澤先達が「みんなで創った阿波根昌鴻(おじい)の舞台」を、山形県内35市町村で上映するということをきいて、応援に駆けつけたのだ。
 上映会場続きの大広間には、そば前の肴がセットされた。先付はスベリヒユお浸し。前菜はチーズ酒盗あえ、卵焼き、カイワレハム巻き、糸コン煮。小鉢は豆腐山形だし掛け、煮物がナスとシシトウ煮など多彩。後でナスなどの漬物もテーブルごとに。
 
 乾杯、となるのだがここで花こまの藤尾代表から姫路市・下村酒造店の純米酒「奥播磨」1本(1本1.8㍑)の差し入れがある。披露の後、参加者全員に注ぎ分け、やっと「乾杯」。花こまの一行も奥で着替え、そば会の座に加わる。肴も牛すじ煮、天ぷら盛り合わせ(ゲソ、オカヒジキ)が追加。
 初参加者のあいさつ、映画の感想などと会が進むうち、お待ちかねの「むら熊」主人手打ちの見事なそばが登場。お酒もたっぷりで、夕暮れの気配の中お開きとなった。
 民族歌舞団「花こま」は日本文化の伝統を守り育てよう、を合言葉に1987年に結成された。手持ちの演目は和太鼓、獅子舞い、南京玉すだれ、もちつきばやし、人形芝居と幅広く、海外を含む各地で精力的に公演活動を続けている。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/08/07

第324回 山辺町「そば処 弁天」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第324回 山辺町「そば処 弁天」 の巻

たっぷりの山菜尽くしを楽しんだ一日
ワラビ採りまで体験する豪華版でした
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 この春は季節の進み方が早い、という話をよく聞く。2月までは寒かったのに、3月になると暖かい日が多くなり、桜の開花も記録的な早さだった。
 いつもの年なら、山形の山菜は6月が盛りだろう。ところが相澤先達から、びっくりする案内状が届いた。「5月のそば会を、15日(火)に開く」というのである。所は、先達の生まれ故郷・山辺町の「そば処弁天」。ご主人吉田正春夫妻が自ら採った山菜の天ぷらを楽しみながらのそば会だ、と。
 5月の例会は、第3日曜日がルール。山菜の進み方が10日から2週間早いのと、弁天の営業日は土、日曜日の週2日で、とりわけ日曜は一般客で混雑し、平日でないとそば会は無理だというのだ。
 みんなの都合はどうかな、と気になりながら出席の返事を出すと、追っかけ電話がある。「店で持っているワラビ畑を特別開放する。袋、軍手、長靴など山菜採りの準備を」と、先達からだ。
 山道に迷いながら着くと、みんなは既にワラビ畑。現地は肥料も施しており、居ながらに袋一杯になる。
 
 店のテーブルには、4種の山菜の小鉢と漬物が。さらにテーブルごとの皿に、なたで割ったようなウドの刺し身に味噌とマヨネーズが添えてある。
 
 酒は前回に続き、米鶴酒造(高畠町)の銘酒。今回は「純米吟醸34号」で杜氏の名前入り。
 膳の山菜はアイコ、ウドのゴマ和え、コシアブラ、ワラビである。ウドもほおばりながら、酒が進む。急な変更参加は16人。吉田さんから「山菜はもちろん、ソバ粉も100㌫地元産」と説明を聞きながら酒が進む。続いて出てきたのは、ニシン入りのワラビ汁。根曲りダケ、ウドの葉も入っている。次はお待ちかねの天ぷらだ。皿をはみ出す、豪快な盛り合わせ。ウド、ワラビ、コゴミ、コシアブラの4種。塩で頂く。
 締めは言わずもがな、ざるそばである。田舎そばらしからぬ細打ち。たっぷり2人前はある。そばに添えられているワサビ、これも地元産だ。お土産にあく抜きしたワラビまで頂いた。
 山菜を堪能した1日だったが、急な日程変更に、常連から先達にはブーイングの嵐だったとか。先達からは「ゴメンナサイ。今後はルールに従います」。

 


 

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カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/06/07

第323回 山形市「きふね」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第323回 山形市「きふね」 の巻

桜満開の季節にふさわしい「さくら切り」
季節感ある肴で盛り上がったそば会でした
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 「きふね」(山形市天神町)は三たてそば会の会場に何回かなっているが、市中心部からかなり北に離れ、天童市との町境に近い。相澤先達からは今回も「現地集合」のお達しである。仙台から友人の車に乗せてもらい、直接向かった。途中通った馬見ヶ崎川の堤防は、満開の桜のトンネルだった。
 着くと店が新しくなっている。店が新しくなっているのは、客の支持が厚いことの証しだ。電車で行けば一番近いJR駅から2㌔以上あり、タクシーでないと無理である。
 客席の都合で20人限定の募集(ギリギリに絞って22人)。そんな厳しい条件ながら、相澤先達がこの店にこだわったのは、季節にふさわしい「さくら切り」がこの店の看板だからだ。主人が修業した「竹ふく」仕込みである。
 そば前の肴としてまず突き出しが用意される。サワラ焼きのミョウガ刻み添え、出汁巻き卵、ウコギのゴマ和え、ワラビと根曲りダケの煮物の季節感ある一皿。
 
 今日先達が用意したお酒は、前回に続き米鶴酒造(高畠町)のかすみ酒、生?純米酒の各1本(1本1.8㍑)飲まない人もおり原則通り16人に2本。
 次はホルモン煮込み。続いて天ぷら盛り合わせで、フキノトウ、タケノコ、パプリカの顔ぶれ。ほかにテーブルごとにキャベツ&キュウリもみが。
 
 そば会の原点に戻ったような酒と肴で会話も弾む。会員の中で最近病気から復帰した人からの報告なども交え、酒が進むうちお待ちかねのさくら切りが、普通のせいろとの2色盛りで登場。さくら切りはほんのりピンクで、かすかに桜の香りがする。量もたっぷりで、一同大満足である。竹ふく流の細打ちだ。最後に桜の花を浮かべたデザートで締めくくった。
 飲食店は地の利が8割、というのが常識だろうが市街地から離れた立地でも味に自信があれば十分に戦える。そんな実例を見た思いがした今回のそば会だった。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/05/01

第322回 上山市「原口そばや」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第322回 上山市「原口そばや」 の巻

酒の肴なし、そばの注文は各自の異例パターン
名物そばがきはそれに勝る絶品の味で話も弾む
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 蔵王山系の登り口に位置する農村集落。その中に1軒だけ存在するお店、それが今回の会場「原口そばや」(上山市)。店名は集落の地名に由来する。山形市から車で30分ほどの距離だが、今回は原則現地集合のお達しである。
 農家の座敷そのままに並べられたテーブルに就くと、相澤先達は「会費はまだ集めないで」と言い残して調理場の方に消えた。なぜ?
「今日はお酒の肴はありません」。戻った先達から出た言葉は驚くべきものだった。「お酒代だけを集めます。あとは自分が食べたいものをメニューから選んで注文してください。お酒は米鶴酒造(高畠町)の3本を用意しています」。
 定型崩し極まれり。長い三たてそば会の歴史でもおそらく初めてである。お酒の「当て」は各テーブルに1皿の白菜漬だけ。「分かっていれば何かつまみを用意してきたのに」。参加者からは恨み節も。中には情報を事前にキャッチした人もいて、用意したサラミソーセージが回される。
 
 聞けば店からは「一般のお客さんが多く、料理は用意できない」と言われた。相澤先達は、そこまで言われながらなぜこの店を選んだのか。答えは原口そばや名物の「そばがき」を味わってほしいと、と考えたからだ。
 多くの人がそばがきとざるそばを注文する。メニューには、肴になりそうなものはない。でも各テーブルの話は弾む。おそらくは米鶴のお酒が「超辛口純米酒」を始めとして、旨い酒ぞろいだったからだろう。おいしい酒は肴がなくても飲めるのだ。頼み込んで、ナス漬を出してもらった。
 
 お待ちかねのそばがきが出る。ゴマだれ、納豆だれから選ぶ。筆者はゴマだれを選んだ。先達から「かつてマシュマロのようだ、と表現した女性がいる」と紹介があった。軟らかさといい、たれとの相性といい、絶品である。蕎麦の食べ方としては、そば切りより歴史が長い、とも聞いた。
 締めのざるそばは、2人前はあろうかというボリューム。本格派だった。頂いた店の名刺には「味なら日本一」とあった。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/04/05

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