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山形そばを食う会

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第334回 山形市「羽前屋」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第334回 山形市「羽前屋」 の巻

1世紀続いた老舗のそば店よさようなら
羽前屋らしいメニューでお別れしました
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
写真2
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山形を代表する老舗そば店の灯がまた一つ消えた。羽前屋(山形市旅篭町)である。

 
 相澤嘉久治先達からの3月そば会案内状は、苦渋に満ちたものだった。「羽前屋さんが今月(3月)いっぱいで閉店することになった。本来ならば羽前屋さんでそば会としたいところですが…」とした上で「お手伝いするご家族の事情もあっての閉店で、30人規模のそば会をお願いする状況ではありません。変則ですが会員の皆さんはグループごとに、あるいは個人でそれぞれが今月中に羽前屋さんに行って最後の羽前そばを賞味してください。それをもって今月のそば会と致します」。つまり、さみだれ参加である。
 例会恒例日の第3日曜日、そば会の相澤代表、浦井雄治副代表(仙台市)と連れだって、店を訪れた。閉店のうわさを聞きつけたのだろう、20人ほどが外に並んでいる。外で待つこと40分。さらに中で順番待ちし、テーブルに座るまで計1時間。いくら老舗店とはいえ、普段はないことである。
 
 最後だから羽前屋らしいものを頼まねばなるまい。浦井さんと2人、まずは羽前もりである。プラス天ぷら盛り合わせ。2人で1皿を頼む。相澤先達は「羽前もりは食べきれないな」と天付羽前にする。
 この店らしいメニューの代表が羽前もり。1.5人前のボリューム。天ぷらの盛り合わせもこの店らしい。白身魚、エノキ、竹輪、ノリなどにたっぷりのおろしが添えられている。羽前もりも、天ぷらも自ら「大衆的」を掲げる姿勢にたがわず、ボリュームや品数の割にはお値段はリーズナブルなのだ。
 
 「本当に手打ちを貫く店は減っている」。山形のそば業界に詳しい相澤先達は話す。基本に忠実、シンプルな姿勢。それがファンに通じているからこそ、閉店を惜しむ客の列ができる。相澤先達の元には「最後の羽前屋を堪能して来ました」というメールが会員から何通も届いた。「さみだれ参加」と言うときれいごとの呼び掛けに聞こえるが、会員は相澤先達の気持ちに応えてくれている。羽前屋の何たるかをそば会の会員は知っているのだ。
 
 最後と思うと、仙台から参加した筆者も感情がこみ上げる。そば湯を、つゆが無くなるまでゆっくり味わった。
 さようなら庶民の店。さようなら羽前屋。その心意気は永遠に。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/04/02

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