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山形そばを食う会

第330回 高畠町「ゆうきの里 さんさん 」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第330回 高畠町「ゆうきの里 さんさん 」 の巻

菊地さんの健康講話にみんなが度肝を抜かれ
ゲンキナ収穫体験まで楽しみ参加全員ご満悦
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 我が国における有機農業発祥の地・高畠。そんな土地には土地柄にふさわしい人物が存在する。地元で和法薬膳研究所を主宰する菊地良一さん(71)はその一人だ。
 菊地さんは高ミネラル無農薬野菜を世に提供することで健康な生活実現に向け提案を続けてきたが、自分が住む高畠町和田地区を舞台にしたそば文化の振興にも心を砕いてきた。今回は菊地さんの活動に賛同する相澤先達が、彼にすべてを「お任せ」して企画した異例のそば会である。
 
 この日の会場は、和田地区に町が建てた「ゆうきの里さんさん」の農産加工体験館だ。敷地内にはログハス風のコテージが3棟あり宿泊もできる。
 テーブルには野菜料理を中心とした折り詰めとお酒は地元の「米鶴」別撰吟醸酒2合瓶(一合180㍉㍑)が1本ずつ用意されている。乾杯もそこそこに、菊地さんのお話が始まる。
 「10割そばと、つなぎに小麦粉が入っているそばでは全く違う。小麦粉は生で食べると中毒する」「有機栽培の玄米を深入りした食品が、さまざまな病気や健康に有効ではないかと今注目されている」「今日収穫体験していただくゲンキナも無農薬の高ミネラル野菜です。血液サラサラ効果があると言われている」。菊地さんの弁舌はとどまるところを知らない。意外な内容にみんな度肝を抜かれた表情。
 相澤先達による、菊地さんのあらためての紹介、初参加者のあいさつと進むうち、お酒も尽きてくる。今回はゲンキナの収穫シーズンが間もなく終わるところから、定例日より1週間早い開催となり、仙台衆常連の顔が少ない。締めは菊地さん手打ちのせいろだ。
 「そろそろ畑に行こうか」。頃合いを見て相澤先達がみんなに声を掛ける。菊地さんのゲンキナ畑はビニールのトンネルになっているが白い花が咲いてシーズン終わりを感じさせる。「お好きなだけどうぞ」という菊地さんの言葉に甘えて、参加者は各自用意した袋一杯に収穫し、みんなご満悦だった。
 

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/12/04

第329回 村山市「そばやかた 樽石」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第329回 村山市「そばやかた 樽石」 の巻

さりげなく野趣が込められた小鉢を堪能し
目で楽しんで舌で味わう名物のなめこそば
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 10月。気温がぐんぐん下がっている。しかし「秋本番。キノコの季節」という実感はなぜかない。相澤先達から「今月のお店は、なめこそばの『そばやかた樽石』ですよ」という案内状を頂いて「あっ、そんな季節なんだ」と気付かされた。
 山形駅から車で1時間弱、村山市樽石。一般客とは別の、土蔵の中に通される。今年も、名物おばあちゃん松田たかさん(97)が着物姿で凛と迎えてくれた。数え98歳、来年は白寿である。なのに髪は黒々、染めていない。「お元気ですね」の声掛けに「熟年です」。ユーモアの持ち主である。
 
 恒例の会場に32人が集う。テーブルに突き出しが用意されている。ヒョウ(スベリヒユ)和え、モッテノホカの酢の物、ゼンマイと油揚げの煮物の3点セット。この顔ぶれがお店の気配りを物語っている。ゼンマイは春の山菜、ヒョウは夏の野草、モッテノホカは山形の秋を象徴する花である。
 用意されたお酒は米鶴の特別純米酒1本(1.8㍑)と純米吟醸酒、大吟醸酒などの4合瓶(1合180㍉㍑)4本。
 相澤先達のあいさつ、松田たかさんの紹介とご本人のあいさつに続き「乾杯」。ここからは、お店の小鉢攻勢だ。銘々にテーブル毎とあるが、大根とすじ肉煮、ニシンと大根の煮物、ソースかつ、芋煮などがどんどん出て来る。
 変わったところではサクランボの梅酢漬け、イナゴの佃煮、雑キノコ炊き合わせのおろし掛けなど。
 さりげなく出されるが、普通のそば店ではお目に掛かれないものばかり。メニューにもないし、お金をいくら出しても食べられない。店のご主人は、そば会の何たるかをよく心得て、分かる人にしか分からない野趣を料理に忍び込ませている。
 料理とお酒を楽しむうち、初参加者や久々の参加者の紹介がある。店主松田富夫さんがあいさつ。それを受けるように、満を持してなめこそばが登場する。自分の持ち山で収穫したなめこが、そばほとんど見えないほど丼を覆っている。みんなはまず目で楽しみ、次に声を出さずに一気に平らげる。
 
 そして…。「せいろが欲しい人はいますか」と相澤先達。数人で1枚ずつ、板そばが出てお開き。
 相澤先達の人脈と、お店の気配りの結集。芸術品のようなそば会である。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/11/06

第328回 南二番町「扇や」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第328回 南二番町「扇や」 の巻

一皿に込められた数々の肴の工夫を愛で
創作そばに見る斬新な挑戦の勇気に驚く
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 定例日の例会開催は、3カ月ぶりだろうか。さまざまな事情が重なり、イレギュラーな開催が続いた。
 現代人はみんな多忙だ。そば会はサロンであり、あくまで「お遊び」である。なのに、定例日開催でない、という理由で出席できなかった人も多い。今回は、久々の常連が何人か顔をそろえている。
 
 今日の会場は扇や(山形市南二番町)。そば茶屋、そば居酒屋の二枚看板を掲げる。これは、そば前の肴に期待を抱かせるに十分だ。
 案の定、テーブルには銘々に、突き出しの皿が用意されていた。肴のラインアップは…。ソバの実入り卵焼きのあんかけ、自家製ソバ味噌が掛かったコンニャク田楽、サンマの梅肉煮、トマトと玉ネギのカレー味ピクルス、ナスのヌタ掛け。ヌタは枝豆をすりつぶした、仙台で言う「ずんだ」である。
 加えてのり可愛いいノリ巻きがある。おかみの幸子さんに聞くと「キュウリの涙巻き」。涙が出るほどワサビが効いている、との意らしい。
 ほかにテーブルごとには大皿の漬物が。ナス、キュウリの定番に加え、キュウリを塩昆布などで炊いた佃煮風漬物がある。
 
 相澤先達のあいさつもそこそこに、乾杯!。お酒2本(1本1・8㍑)が登場する。このところ先達はなぜか米鶴にご執心である。この日はひやおろし純米酒と超辛純米酒。
ふと気付く。座敷の奥、ガラス戸の向こうでご主人江口登志夫さん(57)が懸命にそばを打っている。オール手打ちを実演で示しているのだ。
 そば前が進むうち、もう1品肴が出る。小皿にレタスを敷き、ナス、カツオ節が付け合わされている。深みのある辛さ、再度おかみ・幸子さんの解説。「茄子ピリサラダそば」と名付けられた「創作そば」だという。「創作そば」はこの店の3枚目の看板である。豆板醤などで味付けした、ユニークな1品だ。
 
締めに登場するのは、二八せいろ。中細打ちのやぶ系そばである。上に「そばはっと」のような幅広い、そばの王様のような奇妙なものが乗っている。幸子おかみに聞くと「はっとの食感でそばの味を楽しんで」と工夫したという。お客さんの提案がきっかけ。創作そばの看板に恥じない挑戦に驚く。
おかみの白い割烹着が印象に残る、そば店の定型にはまらない店だった。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/10/03

第327回 大石田町「手打 次年子そば」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第327回 大石田町「手打 次年子そば」 の巻

次年子そば草分けの店で味わう田舎そば
ソバ粉も山菜もすべて自家製の一貫生産
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 予報通りの大粒の雨を、ワイパーが忙しく拭う。山形駅から車で1時間15分。遠距離だから、ドライバーの苦労をよそに遠足気分だ。
 大石田町次年子(じねご)地区。名うての豪雪地帯である。地名の由来は…。暮に子どもが生まれても、出生届けを雪に阻まれて役場に出せない。雪解け後「次の年に生まれた子ども」として届けたことから来た、とか。真偽は不明だ。
 
 今日の会場は「手打次年子そば」。仙台からのファンも多い次年子そば4店の草分けで、昭和62年に開店した。しもたや風の店ののれんをくぐり、中へ。テーブルが二手に分かれている。
 「無理をすれば一緒に座れますよ」。おかみ海藤広子さんの言葉で17人の参加者は膝を寄せて一つテーブルを囲んだ。テーブルには、皿盛りの肴が並んでいる。大皿にはタケノコ、コシアブラなどの天ぷら。ワラビの1本漬けも見える。角皿にはウド、山人参などの炊き合わせ。トマトも入ったサラダ風の黄色い糸コン状の鉢は、ソーメンカボチャだった。銘々に山形だしも用意されている。
 
 相澤先達から、次年子集落について説明がある。遠隔地である上、原則現地集合だから車で来た方が多く、お酒を飲める人数はいつもより少ない。先達が用意したのは、いつもの米鶴純米吟醸酒1本(1本1.8㍑)だけ。それに引き換え肴はたっぷり。参加者が差し入れたもう1本も結局は開けられた。
 
 初参加者の紹介などがあるうち、お待ちかね「せいろ」の登場だ。田舎風でやや黒いがつるりとしたのど越し。そこの場面で、生ワサビが用意されているのに気付く。「ソバ粉も山菜もすべて自家産ですが、ワサビだけは山辺町から仕入れています」と広子さん。お代わりが不要なほど量はたっぷりだった。
 
 最後に広子さんがあいさつに立つ。今は亡きしゅうとめが「次年子そば」の仕掛け人として、店を開いたいきさつを説明する。
 舌もお腹も満足して、山形に戻る途中も雨の勢いは衰えなかった。
 
【手打 次年子そば】
住所:大石田町次年子七五
電話:0237-35-2870

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/09/03

第326回 中山町「和風れすとらん むら熊」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第326回 中山町「和風れすとらん むら熊」 の巻

映画上映、芸能披露、そば会の3本立て
相澤先達の人脈が生んだぜいたくな構成
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 いつもの会費でこんなぜいたくなそば会があっていいのだろうか。通常のそば会に加え、第1部として映画上映、第2部そば会の中ではプロの歌舞団による芸能披露…。今日は3本立てである。
 5月の例会が、変則日の開催となり、常連からブーイングが起きたことは、ことし6月号で触れた。ところが、7月例会もルールより2週間遅い最終日曜日の29日開催になるという相澤先達からの電話連絡である。その理由が、会場の中山町長崎「むら熊」に来て分かった。
 着くと店2階の大広間はほの暗い。上映されたのは、相澤先達自身が製作・脚本・主演したドキュメンタリー映画「みんなで創った阿波根昌鴻(おじい)の舞台」。昨年10月に山形市で開かれた映画完成祝賀会では、ダイジェスト版の披露だったが、今回は1時間53分の完全版だ。
 プロによる芸能とは、兵庫県姫路市を本拠地とする民族歌舞団「花こま」の手になるもの。
 一行4人の団員とそば会参加者は大広間で一緒に映画を鑑賞。第2部のそば会では、花こまの皆さんは「おはやし」「寿獅子」の2演目を披露した。「おはやし」は和太鼓、笛、鉦でのにぎやかな演奏。「寿獅子」は縁起物で1人立ち獅子での熱演の後、参加者の頭を噛んで回り無病息災を祈った。もちろんノーギャラの特別サービスだ。
 相澤先達は、伊江島での反戦活動に学ぼうと沖縄通いを続けているが、その伊江島で「花こま」と出会い、交流を続けている。同歌舞団はこの夏1カ月にわたる公演のため北海道に向かうが、この日山形に「寄り道」した。相澤先達が「みんなで創った阿波根昌鴻(おじい)の舞台」を、山形県内35市町村で上映するということをきいて、応援に駆けつけたのだ。
 上映会場続きの大広間には、そば前の肴がセットされた。先付はスベリヒユお浸し。前菜はチーズ酒盗あえ、卵焼き、カイワレハム巻き、糸コン煮。小鉢は豆腐山形だし掛け、煮物がナスとシシトウ煮など多彩。後でナスなどの漬物もテーブルごとに。
 
 乾杯、となるのだがここで花こまの藤尾代表から姫路市・下村酒造店の純米酒「奥播磨」1本(1本1.8㍑)の差し入れがある。披露の後、参加者全員に注ぎ分け、やっと「乾杯」。花こまの一行も奥で着替え、そば会の座に加わる。肴も牛すじ煮、天ぷら盛り合わせ(ゲソ、オカヒジキ)が追加。
 初参加者のあいさつ、映画の感想などと会が進むうち、お待ちかねの「むら熊」主人手打ちの見事なそばが登場。お酒もたっぷりで、夕暮れの気配の中お開きとなった。
 民族歌舞団「花こま」は日本文化の伝統を守り育てよう、を合言葉に1987年に結成された。手持ちの演目は和太鼓、獅子舞い、南京玉すだれ、もちつきばやし、人形芝居と幅広く、海外を含む各地で精力的に公演活動を続けている。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/08/07

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