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山形そばを食う会

第328回 南二番町「扇や」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第328回 南二番町「扇や」 の巻

一皿に込められた数々の肴の工夫を愛で
創作そばに見る斬新な挑戦の勇気に驚く
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 定例日の例会開催は、3カ月ぶりだろうか。さまざまな事情が重なり、イレギュラーな開催が続いた。
 現代人はみんな多忙だ。そば会はサロンであり、あくまで「お遊び」である。なのに、定例日開催でない、という理由で出席できなかった人も多い。今回は、久々の常連が何人か顔をそろえている。
 
 今日の会場は扇や(山形市南二番町)。そば茶屋、そば居酒屋の二枚看板を掲げる。これは、そば前の肴に期待を抱かせるに十分だ。
 案の定、テーブルには銘々に、突き出しの皿が用意されていた。肴のラインアップは…。ソバの実入り卵焼きのあんかけ、自家製ソバ味噌が掛かったコンニャク田楽、サンマの梅肉煮、トマトと玉ネギのカレー味ピクルス、ナスのヌタ掛け。ヌタは枝豆をすりつぶした、仙台で言う「ずんだ」である。
 加えてのり可愛いいノリ巻きがある。おかみの幸子さんに聞くと「キュウリの涙巻き」。涙が出るほどワサビが効いている、との意らしい。
 ほかにテーブルごとには大皿の漬物が。ナス、キュウリの定番に加え、キュウリを塩昆布などで炊いた佃煮風漬物がある。
 
 相澤先達のあいさつもそこそこに、乾杯!。お酒2本(1本1・8㍑)が登場する。このところ先達はなぜか米鶴にご執心である。この日はひやおろし純米酒と超辛純米酒。
ふと気付く。座敷の奥、ガラス戸の向こうでご主人江口登志夫さん(57)が懸命にそばを打っている。オール手打ちを実演で示しているのだ。
 そば前が進むうち、もう1品肴が出る。小皿にレタスを敷き、ナス、カツオ節が付け合わされている。深みのある辛さ、再度おかみ・幸子さんの解説。「茄子ピリサラダそば」と名付けられた「創作そば」だという。「創作そば」はこの店の3枚目の看板である。豆板醤などで味付けした、ユニークな1品だ。
 
締めに登場するのは、二八せいろ。中細打ちのやぶ系そばである。上に「そばはっと」のような幅広い、そばの王様のような奇妙なものが乗っている。幸子おかみに聞くと「はっとの食感でそばの味を楽しんで」と工夫したという。お客さんの提案がきっかけ。創作そばの看板に恥じない挑戦に驚く。
おかみの白い割烹着が印象に残る、そば店の定型にはまらない店だった。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/10/03

第327回 大石田町「手打 次年子そば」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第327回 大石田町「手打 次年子そば」 の巻

次年子そば草分けの店で味わう田舎そば
ソバ粉も山菜もすべて自家製の一貫生産
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 予報通りの大粒の雨を、ワイパーが忙しく拭う。山形駅から車で1時間15分。遠距離だから、ドライバーの苦労をよそに遠足気分だ。
 大石田町次年子(じねご)地区。名うての豪雪地帯である。地名の由来は…。暮に子どもが生まれても、出生届けを雪に阻まれて役場に出せない。雪解け後「次の年に生まれた子ども」として届けたことから来た、とか。真偽は不明だ。
 
 今日の会場は「手打次年子そば」。仙台からのファンも多い次年子そば4店の草分けで、昭和62年に開店した。しもたや風の店ののれんをくぐり、中へ。テーブルが二手に分かれている。
 「無理をすれば一緒に座れますよ」。おかみ海藤広子さんの言葉で17人の参加者は膝を寄せて一つテーブルを囲んだ。テーブルには、皿盛りの肴が並んでいる。大皿にはタケノコ、コシアブラなどの天ぷら。ワラビの1本漬けも見える。角皿にはウド、山人参などの炊き合わせ。トマトも入ったサラダ風の黄色い糸コン状の鉢は、ソーメンカボチャだった。銘々に山形だしも用意されている。
 
 相澤先達から、次年子集落について説明がある。遠隔地である上、原則現地集合だから車で来た方が多く、お酒を飲める人数はいつもより少ない。先達が用意したのは、いつもの米鶴純米吟醸酒1本(1本1.8㍑)だけ。それに引き換え肴はたっぷり。参加者が差し入れたもう1本も結局は開けられた。
 
 初参加者の紹介などがあるうち、お待ちかね「せいろ」の登場だ。田舎風でやや黒いがつるりとしたのど越し。そこの場面で、生ワサビが用意されているのに気付く。「ソバ粉も山菜もすべて自家産ですが、ワサビだけは山辺町から仕入れています」と広子さん。お代わりが不要なほど量はたっぷりだった。
 
 最後に広子さんがあいさつに立つ。今は亡きしゅうとめが「次年子そば」の仕掛け人として、店を開いたいきさつを説明する。
 舌もお腹も満足して、山形に戻る途中も雨の勢いは衰えなかった。
 
【手打 次年子そば】
住所:大石田町次年子七五
電話:0237-35-2870

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/09/03

第326回 中山町「和風れすとらん むら熊」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第326回 中山町「和風れすとらん むら熊」 の巻

映画上映、芸能披露、そば会の3本立て
相澤先達の人脈が生んだぜいたくな構成
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 いつもの会費でこんなぜいたくなそば会があっていいのだろうか。通常のそば会に加え、第1部として映画上映、第2部そば会の中ではプロの歌舞団による芸能披露…。今日は3本立てである。
 5月の例会が、変則日の開催となり、常連からブーイングが起きたことは、ことし6月号で触れた。ところが、7月例会もルールより2週間遅い最終日曜日の29日開催になるという相澤先達からの電話連絡である。その理由が、会場の中山町長崎「むら熊」に来て分かった。
 着くと店2階の大広間はほの暗い。上映されたのは、相澤先達自身が製作・脚本・主演したドキュメンタリー映画「みんなで創った阿波根昌鴻(おじい)の舞台」。昨年10月に山形市で開かれた映画完成祝賀会では、ダイジェスト版の披露だったが、今回は1時間53分の完全版だ。
 プロによる芸能とは、兵庫県姫路市を本拠地とする民族歌舞団「花こま」の手になるもの。
 一行4人の団員とそば会参加者は大広間で一緒に映画を鑑賞。第2部のそば会では、花こまの皆さんは「おはやし」「寿獅子」の2演目を披露した。「おはやし」は和太鼓、笛、鉦でのにぎやかな演奏。「寿獅子」は縁起物で1人立ち獅子での熱演の後、参加者の頭を噛んで回り無病息災を祈った。もちろんノーギャラの特別サービスだ。
 相澤先達は、伊江島での反戦活動に学ぼうと沖縄通いを続けているが、その伊江島で「花こま」と出会い、交流を続けている。同歌舞団はこの夏1カ月にわたる公演のため北海道に向かうが、この日山形に「寄り道」した。相澤先達が「みんなで創った阿波根昌鴻(おじい)の舞台」を、山形県内35市町村で上映するということをきいて、応援に駆けつけたのだ。
 上映会場続きの大広間には、そば前の肴がセットされた。先付はスベリヒユお浸し。前菜はチーズ酒盗あえ、卵焼き、カイワレハム巻き、糸コン煮。小鉢は豆腐山形だし掛け、煮物がナスとシシトウ煮など多彩。後でナスなどの漬物もテーブルごとに。
 
 乾杯、となるのだがここで花こまの藤尾代表から姫路市・下村酒造店の純米酒「奥播磨」1本(1本1.8㍑)の差し入れがある。披露の後、参加者全員に注ぎ分け、やっと「乾杯」。花こまの一行も奥で着替え、そば会の座に加わる。肴も牛すじ煮、天ぷら盛り合わせ(ゲソ、オカヒジキ)が追加。
 初参加者のあいさつ、映画の感想などと会が進むうち、お待ちかねの「むら熊」主人手打ちの見事なそばが登場。お酒もたっぷりで、夕暮れの気配の中お開きとなった。
 民族歌舞団「花こま」は日本文化の伝統を守り育てよう、を合言葉に1987年に結成された。手持ちの演目は和太鼓、獅子舞い、南京玉すだれ、もちつきばやし、人形芝居と幅広く、海外を含む各地で精力的に公演活動を続けている。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/08/07

第324回 山辺町「そば処 弁天」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第324回 山辺町「そば処 弁天」 の巻

たっぷりの山菜尽くしを楽しんだ一日
ワラビ採りまで体験する豪華版でした
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 この春は季節の進み方が早い、という話をよく聞く。2月までは寒かったのに、3月になると暖かい日が多くなり、桜の開花も記録的な早さだった。
 いつもの年なら、山形の山菜は6月が盛りだろう。ところが相澤先達から、びっくりする案内状が届いた。「5月のそば会を、15日(火)に開く」というのである。所は、先達の生まれ故郷・山辺町の「そば処弁天」。ご主人吉田正春夫妻が自ら採った山菜の天ぷらを楽しみながらのそば会だ、と。
 5月の例会は、第3日曜日がルール。山菜の進み方が10日から2週間早いのと、弁天の営業日は土、日曜日の週2日で、とりわけ日曜は一般客で混雑し、平日でないとそば会は無理だというのだ。
 みんなの都合はどうかな、と気になりながら出席の返事を出すと、追っかけ電話がある。「店で持っているワラビ畑を特別開放する。袋、軍手、長靴など山菜採りの準備を」と、先達からだ。
 山道に迷いながら着くと、みんなは既にワラビ畑。現地は肥料も施しており、居ながらに袋一杯になる。
 
 店のテーブルには、4種の山菜の小鉢と漬物が。さらにテーブルごとの皿に、なたで割ったようなウドの刺し身に味噌とマヨネーズが添えてある。
 
 酒は前回に続き、米鶴酒造(高畠町)の銘酒。今回は「純米吟醸34号」で杜氏の名前入り。
 膳の山菜はアイコ、ウドのゴマ和え、コシアブラ、ワラビである。ウドもほおばりながら、酒が進む。急な変更参加は16人。吉田さんから「山菜はもちろん、ソバ粉も100㌫地元産」と説明を聞きながら酒が進む。続いて出てきたのは、ニシン入りのワラビ汁。根曲りダケ、ウドの葉も入っている。次はお待ちかねの天ぷらだ。皿をはみ出す、豪快な盛り合わせ。ウド、ワラビ、コゴミ、コシアブラの4種。塩で頂く。
 締めは言わずもがな、ざるそばである。田舎そばらしからぬ細打ち。たっぷり2人前はある。そばに添えられているワサビ、これも地元産だ。お土産にあく抜きしたワラビまで頂いた。
 山菜を堪能した1日だったが、急な日程変更に、常連から先達にはブーイングの嵐だったとか。先達からは「ゴメンナサイ。今後はルールに従います」。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/06/07

第323回 山形市「きふね」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第323回 山形市「きふね」 の巻

桜満開の季節にふさわしい「さくら切り」
季節感ある肴で盛り上がったそば会でした
 
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 「きふね」(山形市天神町)は三たてそば会の会場に何回かなっているが、市中心部からかなり北に離れ、天童市との町境に近い。相澤先達からは今回も「現地集合」のお達しである。仙台から友人の車に乗せてもらい、直接向かった。途中通った馬見ヶ崎川の堤防は、満開の桜のトンネルだった。
 着くと店が新しくなっている。店が新しくなっているのは、客の支持が厚いことの証しだ。電車で行けば一番近いJR駅から2㌔以上あり、タクシーでないと無理である。
 客席の都合で20人限定の募集(ギリギリに絞って22人)。そんな厳しい条件ながら、相澤先達がこの店にこだわったのは、季節にふさわしい「さくら切り」がこの店の看板だからだ。主人が修業した「竹ふく」仕込みである。
 そば前の肴としてまず突き出しが用意される。サワラ焼きのミョウガ刻み添え、出汁巻き卵、ウコギのゴマ和え、ワラビと根曲りダケの煮物の季節感ある一皿。
 
 今日先達が用意したお酒は、前回に続き米鶴酒造(高畠町)のかすみ酒、生?純米酒の各1本(1本1.8㍑)飲まない人もおり原則通り16人に2本。
 次はホルモン煮込み。続いて天ぷら盛り合わせで、フキノトウ、タケノコ、パプリカの顔ぶれ。ほかにテーブルごとにキャベツ&キュウリもみが。
 
 そば会の原点に戻ったような酒と肴で会話も弾む。会員の中で最近病気から復帰した人からの報告なども交え、酒が進むうちお待ちかねのさくら切りが、普通のせいろとの2色盛りで登場。さくら切りはほんのりピンクで、かすかに桜の香りがする。量もたっぷりで、一同大満足である。竹ふく流の細打ちだ。最後に桜の花を浮かべたデザートで締めくくった。
 飲食店は地の利が8割、というのが常識だろうが市街地から離れた立地でも味に自信があれば十分に戦える。そんな実例を見た思いがした今回のそば会だった。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2018/05/01

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