山形の観光・イベント・グルメ情報を、山形三吉が取材・編集して毎月お届けします!

ホーム > 山形そばを食う会

山形そばを食う会

第334回 山形市「羽前屋」 の巻

CIMG0459

CIMG0459

山形三たてそばを食う会
第334回 山形市「羽前屋」 の巻

1世紀続いた老舗のそば店よさようなら
羽前屋らしいメニューでお別れしました
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
写真2
写真2
写真2
写真2

 

山形を代表する老舗そば店の灯がまた一つ消えた。羽前屋(山形市旅篭町)である。

 
 相澤嘉久治先達からの3月そば会案内状は、苦渋に満ちたものだった。「羽前屋さんが今月(3月)いっぱいで閉店することになった。本来ならば羽前屋さんでそば会としたいところですが…」とした上で「お手伝いするご家族の事情もあっての閉店で、30人規模のそば会をお願いする状況ではありません。変則ですが会員の皆さんはグループごとに、あるいは個人でそれぞれが今月中に羽前屋さんに行って最後の羽前そばを賞味してください。それをもって今月のそば会と致します」。つまり、さみだれ参加である。
 例会恒例日の第3日曜日、そば会の相澤代表、浦井雄治副代表(仙台市)と連れだって、店を訪れた。閉店のうわさを聞きつけたのだろう、20人ほどが外に並んでいる。外で待つこと40分。さらに中で順番待ちし、テーブルに座るまで計1時間。いくら老舗店とはいえ、普段はないことである。
 
 最後だから羽前屋らしいものを頼まねばなるまい。浦井さんと2人、まずは羽前もりである。プラス天ぷら盛り合わせ。2人で1皿を頼む。相澤先達は「羽前もりは食べきれないな」と天付羽前にする。
 この店らしいメニューの代表が羽前もり。1.5人前のボリューム。天ぷらの盛り合わせもこの店らしい。白身魚、エノキ、竹輪、ノリなどにたっぷりのおろしが添えられている。羽前もりも、天ぷらも自ら「大衆的」を掲げる姿勢にたがわず、ボリュームや品数の割にはお値段はリーズナブルなのだ。
 
 「本当に手打ちを貫く店は減っている」。山形のそば業界に詳しい相澤先達は話す。基本に忠実、シンプルな姿勢。それがファンに通じているからこそ、閉店を惜しむ客の列ができる。相澤先達の元には「最後の羽前屋を堪能して来ました」というメールが会員から何通も届いた。「さみだれ参加」と言うときれいごとの呼び掛けに聞こえるが、会員は相澤先達の気持ちに応えてくれている。羽前屋の何たるかをそば会の会員は知っているのだ。
 
 最後と思うと、仙台から参加した筆者も感情がこみ上げる。そば湯を、つゆが無くなるまでゆっくり味わった。
 さようなら庶民の店。さようなら羽前屋。その心意気は永遠に。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/04/02

第333回 村山市「手打蕎麦 おんどり 」 の巻

CIMG0459

CIMG0459

山形三たてそばを食う会
第333回 村山市「手打蕎麦 おんどり 」 の巻

最上川三難所そば街道にふさわしい季節に
村山市最奥らしい雰囲気を堪能したそば会
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
写真2
写真2
写真2

 

 立春を迎えるとは言え、寒さが一番厳しい冬は2月かもしれない。「仙台のマンションですか、うらやましいなあ」。そう話す山形市在住の方の車に同乗させていただき、村山市の北西最奥に向かう。積雪のない仙台から、雪の切り通しの中を進む山形へ。まるで別世界、途中から雪が降り出した。

 
 今回の会場は、最奥に位置する「手打蕎麦おんどり」である。相澤先達は、寒さが一番厳しいこの時期、なぜ村山市の最奥を会場に選んだのか。カギは素晴らしい山形1月号の特集「朋ちゃんの最上川三難所そば街道巡り」にある。朋ちゃんが村山市中心部2店を含め14回にわたって連載した。完結総集編が新年特別号として掲載されたことの「お祝い」そば会だ。「おんどり」はそば街道の二番店である。
 テーブルに座ると、始まる前に小鉢が次々並べられる。黒豆、コゴミのゴマ和え、フキ、キクラゲ、風呂吹き大根…。ワラビの1本漬けと2色たくあんはテーブルごとだ。山菜で春の先取り。最奥の地でのそば会にふさわしい肴と雰囲気である。
 石巻市から参加の方の発声で「乾杯!」。外はいつしか本格的な雪になっている。相澤先達が、前回に続き「三たてそば会」の歴史と今後について解説する。「山形には全国に知られた萬盛庵の「山形そばを食う会」があった。先輩格の萬盛庵のそば会を超えないぎりぎりの回数まで続けたい。そのために私は102歳まで元気でいなければなりません」。いつものフレーズである。30人の激励と冷やかしの声が交錯する。
 
 先達が用意した酒は、米鶴酒造(高畠町)の「純米かすみ酒」など1升瓶3本(1升は1.8㍑)。「コゴミはどうやって保存したのかね」「このワラビは唐辛子が効いている」など、そば会らしい肴を愛でながら、会話が進む。「飲まない方もいるので、1人2合ほどは行き渡るはず」と相澤先達。
 
 そうこうするうちに、板そばの登場である。太打ちと細打ちの2色盛り。太打ちは歯ごたえがある田舎風だ。メニューには「ソバはすべて自家栽培」とある。霊峰葉山の登山口山ノ内地区で栽培したソバ粉だけを使っている。「おんどり」は登山口にふさわしく温泉があることでも知られる。ユニークだ。
 主人の佐藤和幸さん(57)が相澤先達の紹介であいさつに立つ。三難所そば街道振興会会長としてまとめ役を務める。雪も激しくなることだし、暗くなっては大変。一本締めでお開きとなった。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/03/04

第332回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

CIMG0459

CIMG0459

山形三たてそばを食う会
第332回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

ぷっくりのかきそばを堪能、お腹も心も満足
新年会らしくお酒も十分頂いたそば会でした
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
写真2
写真2
写真2
写真2
写真2
写真2

 

 山形はやはり雪だった。暖冬の予報通り、今冬の仙台は本格的な積雪がまだない。

 
 1月の例会は、恒例「寿ゞ㐂総本店」(山形市宮町)での新年会である。目玉はもちろんかきそば。相澤先達からの案内状には「北山形駅から徒歩5分」とあったが雪を見るとタクシーになる。
 新年会と銘打っているせいか、会場はどこか華やいだ雰囲気である。差し入れのお酒が何本か見えるせいかもしれない。
 席には銘々に突き出し、テーブルごとに漬物盛り合わせが用意されている。一升瓶(一升は1.8㍑)がテーブルごとに立てられる。まずは乾杯である。
 
 順序は逆になるが、乾杯後相澤先達があいさつに立ち、三たてそば会とはそもそもどんな会であるか、説明がある。新年らしい展開である。
 各テーブルでは、差しつ差されつ、飲みながらの懇談が始まる。「そば会のお酒は2本まで」。普段は原理原則にうるさい相澤先達だが、この日ばかりは差し入れのお酒もすべて出される。続いて出てきた肴はむきそば。次に天ぷらである。マイタケ、カボチャ、ナスの盛り合わせ。
 
 肴はやや控えめなのに、お酒いつもよりたっぷりである。相澤先達が用意したのは、生酒と超辛純米など米鶴酒造(高畠町)の3本セット。お酒がはかどる。肴が先に無くなって、漬物のお代わりを店の人におねだりする人もいる。
 初参加者、久々の参加者の紹介、あいさつが続く。
 そうこうするうちに「かきそば」の登場である。この時期、店の看板メニューであることは、玄関にかきそばだけがメニューとして看板が出ていることでも分かる。
 出されたのは、ハーフサイズのかきそばである。とは言っても、ぷっくり牡蠣が2個どんと乗っている。セリ、おろし、切り昆布も添えられてフルサイズとそん色ない。市内の他のそば店ではこのメニューはまずお目にかかれない。
 多くの人があっという間に平らげる。やや間があって、締めはせいろである。デザートが出てお開きとなった。
 お酒が入ると、またタクシーとなる。「ワンメーターの距離なのに」との声もちらほら。酔いも手伝って、お腹も心も満ちて家路に就いた。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/02/05

第330回 高畠町「ゆうきの里 さんさん 」 の巻

CIMG4241.JPG

CIMG4241.JPG

山形三たてそばを食う会
第330回 高畠町「ゆうきの里 さんさん 」 の巻

菊地さんの健康講話にみんなが度肝を抜かれ
ゲンキナ収穫体験まで楽しみ参加全員ご満悦
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
CIMG4248.JPG
CIMG4236.JPG
CIMG4237.JPG
CIMG4232.JPG
CIMG4230.JPG
CIMG4245.JPG
CIMG4245.JPG

 

 
 我が国における有機農業発祥の地・高畠。そんな土地には土地柄にふさわしい人物が存在する。地元で和法薬膳研究所を主宰する菊地良一さん(71)はその一人だ。
 菊地さんは高ミネラル無農薬野菜を世に提供することで健康な生活実現に向け提案を続けてきたが、自分が住む高畠町和田地区を舞台にしたそば文化の振興にも心を砕いてきた。今回は菊地さんの活動に賛同する相澤先達が、彼にすべてを「お任せ」して企画した異例のそば会である。
 
 この日の会場は、和田地区に町が建てた「ゆうきの里さんさん」の農産加工体験館だ。敷地内にはログハス風のコテージが3棟あり宿泊もできる。
 テーブルには野菜料理を中心とした折り詰めとお酒は地元の「米鶴」別撰吟醸酒2合瓶(一合180㍉㍑)が1本ずつ用意されている。乾杯もそこそこに、菊地さんのお話が始まる。
 「10割そばと、つなぎに小麦粉が入っているそばでは全く違う。小麦粉は生で食べると中毒する」「有機栽培の玄米を深入りした食品が、さまざまな病気や健康に有効ではないかと今注目されている」「今日収穫体験していただくゲンキナも無農薬の高ミネラル野菜です。血液サラサラ効果があると言われている」。菊地さんの弁舌はとどまるところを知らない。意外な内容にみんな度肝を抜かれた表情。
 相澤先達による、菊地さんのあらためての紹介、初参加者のあいさつと進むうち、お酒も尽きてくる。今回はゲンキナの収穫シーズンが間もなく終わるところから、定例日より1週間早い開催となり、仙台衆常連の顔が少ない。締めは菊地さん手打ちのせいろだ。
 「そろそろ畑に行こうか」。頃合いを見て相澤先達がみんなに声を掛ける。菊地さんのゲンキナ畑はビニールのトンネルになっているが白い花が咲いてシーズン終わりを感じさせる。「お好きなだけどうぞ」という菊地さんの言葉に甘えて、参加者は各自用意した袋一杯に収穫し、みんなご満悦だった。
 

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/12/04

第329回 村山市「そばやかた 樽石」 の巻

CIMG4241.JPG

CIMG4241.JPG

山形三たてそばを食う会
第329回 村山市「そばやかた 樽石」 の巻

さりげなく野趣が込められた小鉢を堪能し
目で楽しんで舌で味わう名物のなめこそば
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
CIMG4248.JPG
CIMG4236.JPG
CIMG4237.JPG
CIMG4232.JPG
CIMG4230.JPG
CIMG4245.JPG
写真6
写真6
写真6
写真6

 

 
 10月。気温がぐんぐん下がっている。しかし「秋本番。キノコの季節」という実感はなぜかない。相澤先達から「今月のお店は、なめこそばの『そばやかた樽石』ですよ」という案内状を頂いて「あっ、そんな季節なんだ」と気付かされた。
 山形駅から車で1時間弱、村山市樽石。一般客とは別の、土蔵の中に通される。今年も、名物おばあちゃん松田たかさん(97)が着物姿で凛と迎えてくれた。数え98歳、来年は白寿である。なのに髪は黒々、染めていない。「お元気ですね」の声掛けに「熟年です」。ユーモアの持ち主である。
 
 恒例の会場に32人が集う。テーブルに突き出しが用意されている。ヒョウ(スベリヒユ)和え、モッテノホカの酢の物、ゼンマイと油揚げの煮物の3点セット。この顔ぶれがお店の気配りを物語っている。ゼンマイは春の山菜、ヒョウは夏の野草、モッテノホカは山形の秋を象徴する花である。
 用意されたお酒は米鶴の特別純米酒1本(1.8㍑)と純米吟醸酒、大吟醸酒などの4合瓶(1合180㍉㍑)4本。
 相澤先達のあいさつ、松田たかさんの紹介とご本人のあいさつに続き「乾杯」。ここからは、お店の小鉢攻勢だ。銘々にテーブル毎とあるが、大根とすじ肉煮、ニシンと大根の煮物、ソースかつ、芋煮などがどんどん出て来る。
 変わったところではサクランボの梅酢漬け、イナゴの佃煮、雑キノコ炊き合わせのおろし掛けなど。
 さりげなく出されるが、普通のそば店ではお目に掛かれないものばかり。メニューにもないし、お金をいくら出しても食べられない。店のご主人は、そば会の何たるかをよく心得て、分かる人にしか分からない野趣を料理に忍び込ませている。
 料理とお酒を楽しむうち、初参加者や久々の参加者の紹介がある。店主松田富夫さんがあいさつ。それを受けるように、満を持してなめこそばが登場する。自分の持ち山で収穫したなめこが、そばほとんど見えないほど丼を覆っている。みんなはまず目で楽しみ、次に声を出さずに一気に平らげる。
 
 そして…。「せいろが欲しい人はいますか」と相澤先達。数人で1枚ずつ、板そばが出てお開き。
 相澤先達の人脈と、お店の気配りの結集。芸術品のようなそば会である。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2018年 | 情報更新日:2018/11/06

1 2 3 4  次へ 

このページのトップへ