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山形そばを食う会

第346回 天童市「水車生そば」の巻

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山形三たてそばを食う会
第346回 天童市「水車生そば」の巻

新型コロナウイルスに翻弄されるこの季節
さみだれ例会ながら騒動を忘れた老舗の味
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 終着点が見えぬ新型コロナウイルスの感染拡大。世界的出来事であるが、その影響はわが三たてそば会にも及んだ。世の中の催事自粛ムードには抗しがたく、相澤先達は今月の例会を「さみだれ参加方式」にする決断をした。水車生そば(天童市)を会場に指定、各自都合のいい時に店に赴き好きなメニューを味わって例会とすることにした。

 
 17日火曜日、相澤代表、浦井雄治代表代行と連れだって店を訪れた。あえて日曜日を避けた。混雑に拍車をかけるのは本意でない。ウイークデーなのに、駐車場は7割方埋まっている。コロナウイルスの影響はないようだ。この日現在、山形県で感染者は出ていない。
 「この店らしいものを頼まないと」。相澤先達に促され、浦井さんはにしんそば、筆者は鴨せいろを注文する。先達は天ざるそば、ドライバー兼カメラマンの丹野さんは鴨そばである。先達がレジに立つ奥さまに声を掛けると、主人矢萩長兵衛さんは所用で不在とのこと。あいさつはかなわなかった。
 「お酒はどうする?」と先達。体調から控えている先達。浦井さんと燗酒1本ずつ頼む。そばにはそば前がつかなくっちゃ。ほどなく鴨せいろが出る。付け合せの青菜漬けをつまみに、ゆっくりお酒を楽しむ。せいろは挽きぐるみの太打ちで黒い。温かい鴨汁に付ながら噛み締める。
 水車生そば名物は鳥中華だが、あくまで今日は三たてそば会の例会である。名物でもご法度だ。生そばを食べた後なら許されるか…とも考えたが、鴨せいろで満足し結局頼まなかった。
 
 さみだれ例会の会場に、相澤先達はなぜ水車生そばを選んだか。江戸末期の創業で山形を代表する老舗そば店であるのが一つ。さらに矢萩さんは山形県麺類飲食生活衛生同業組合の理事長として、県内のそば店のとりまとめ役を担っている。相澤先達は「山形そばが今日あるのを築いた、三大功労者の一人」だという。
 そんな山形そば業界の話題を肴に、近づく春を感じながら老舗の味を楽しんだ一日。さみだれ例会が異常なら、一度も積雪が無かったという山形の冬も異常。いつもの例会に戻れるのは何月だろう。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2020/04/02

第345回 村山市「板そば あらきそば」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第345回 村山市「板そば あらきそば」の巻

最上川三難所そば街道の連載完結やテレビ放映
おめでた続きに尺八演奏、中身濃い一日でした
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 山形そばの何たるかを少しでも知っている者にとって、今回の会場「あらきそば」(村山市)は聖域である。なぜ聖域なのか、簡単には言いにくい。転勤で山形に縁ができる前から何度か訪れ、メニューに「うすもり」「むかしもり」の二つしかないのに隣の客をのぞくとニシン味噌煮を食べている。まるで一見さんお断り、であるかのように。

 
 相澤先達が冬の一番寒さが厳しいこの時期に「あらきそば」を会場に選んだのは、最上川三難所そば街道が季節にふさわしいと考えたからだろうか。
 しもたや風の茅葺屋根と、小さな看板。うっかりすれば通り過ぎてしまう。この冬は雪がないので、間違えなかったけれども。
 昨年2月にこの店で例会を開く予定になっていたが、急に事情が生じ変更になった。きょうはリベンジ戦である。「素晴らしい山形」に14回にわたって連載された「朋ちゃんの最上川三難所そば街道巡り」が完結したお祝いを兼ねている。
 まずは店主あいさつ。通常なら散会直前にセットされる場面だが、事情が事情なので冒頭である。おかみの芦野真弓さん、長女朋子さん、そして創業四代目の浩平さんが顔をそろえ、相澤先達が紹介する。
 暖かい季節なら開け放してすだれが下がる座敷は、板戸が閉められている。まずはニシンの味噌煮。大ぶりの身欠きニシンが年代物のたれにくるまれている。そば前はいつもの米鶴(高畠町)の銘酒2本(1本1.8㍑)に加え、差し入れの朝日鷹(地元高木酒造)などが加わる。
 続いて出された当ては一皿にヒョウ(スベリヒユ)干しの煮物、きんぴらごぼう、青菜漬け、油揚げ煮が盛られている。「これで一人前?」の質問が出る。
「そばの前にお腹がいっぱいになりそう」の声。
 いよいよ板そばの登場。極太の手打ちが板いっぱい。昔盛り、つまり2人前と思ったらうす盛り、1人前という。女性の中には、隣の男性に手伝ってもらう人も。
 きょうは連載完結のお祝いの場。会員の一人が、尺八を用意し冒頭「最上川舟歌」を演奏した。締めくくりに、女性会員が尺八の伴奏で「早春賦」を披露する。季節にぴったりである。
 この日は会員以外の参加者も。昨年11月、NHK山形の山コレで「家族で守る板そば~村山老舗そば店4代目の挑戦」が放映された。担当の女性ディレクターと取材をサポートした元村山市職員も参加し、29人の大所帯となった。中身の濃い1日だった。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2020/03/03

第344回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第344回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

「かきそば」と「せいろ」の2本立てに感謝満足
正月なのに雪のない暖冬の新年会を楽しんだ一日
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 暖冬、暖冬と言われる冬が続く。北山形駅に着いたら、雪が全くない。新年第1回の例会は、恒例寿ゞ㐂総本店(山形市宮町)と決まっている。冬限定のかきそばがお目当てである。長く参加しているが、雪のない1月例会は記憶にない。異常な暖冬である。

 
 なぜ正月例会がこの店なのかを、相澤先達に確かめたことはない。やはり風格のある老舗は、新年会を兼ねた例会にふさわしい。会場の座敷には、春陽さえ感じさせる明るい光が差し込んでいる。
 先達からの「明けましておめでとうございます」の挨拶で幕開け。「案内状に余計なことを書いたら、予想以上の反応があって……」。差し入れ歓迎、のことを指している。24人の参加者(飲まない人も含め)だから、本来ならお酒は2升(1升は1.8㍑)で差し止めだが、きょうは特別たっぷりありますよ、というシグナルだ。
 乾杯の後、初参加者、久々の参加者の紹介、挨拶がある。東京からわざわざ、の会員も顔が見える。
 銘々の突き出し皿には、正月らしくギンナンの串、田作り、エビがある。追っかけむきそばの鴨肉添えが出される。
 お酒はあればあるだけ、進み方のピッチが早い。先達が用意したのは米鶴酒造(高畠町)の純米酒生酛など3本。そこに差し入れが加わる。テーブルごとの青菜漬けも頂きながら、話が弾む。肴には天ぷら盛り合わせが加わる。カボチャ、春菊などに塩だ。
 ほどなくかきそばの登場だ。ぷっくりと肥えたかきが3個乗っている。これだけ肥えたかきを入手するには、長年店が蓄積したルートが必要だ。
 
 目でめでた後は、どの参加者も一気に平らげる。至福の時間である。つゆの濃さといい、そばの茹で加減といい、かきそばを出す店は山形でここだけというのがうなずける。三たてそば会で、種ものは本来ご法度だが、このかきそばだけは特別である。
 そばはこれで終わりかな、と思ったら、せいろが登場した。そば会本来のラインナップである。きょうの会費がいつもより高い理由が分かった。
 最後は正月らしく、仙台衆による「さんさしぐれ」が出て、お開きとなった。店から駅までは5分という距離ながら、酔いを考えて車を呼んだ。北山形駅では、階段を昇らないと仙台行きに乗れない。仲間の助太刀で何とか電車に乗った。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2020/02/05

第343回 山形市「手打そば 竹ふく」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第343回 山形市「手打そば 竹ふく」 の巻

ゆず切りを味わいながら一年を振り返る
会のルールを再確認しつつ楽しんだ例会
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 伝統といい、歴史という。いずれも形がない。350回になんなんとするわが三たてそば会例会。12月は会の原点とも言うべき竹ふくが会場である。集まった24人(満席)の顔ぶれを見回しながら「積み重ねは、参加者個人にとっても歴史になるのだな」と感じた。
 
 1年に12回ある例会。なのに竹ふくが会場の時だけ参加する会員がいる。「なぜ?」とお聞きしたくなるが、その方にとっては1年の暦の中にきちんと入っているのだ、きっと。
 
 テーブルには突き出し盛り合わせとむきそばの椀が銘々に置かれている。相澤先達のあいさつもそこそこに乾杯である。お酒は米鶴(高畠町)の純米酒など1升瓶2本(1升は1.8㍑)。それぞれのテーブルで話の花が咲く。
 
 と、そこでちょっとしたやり取りが参加者と相澤先達の間にあった。東京からわざわざ参加した会員がお一人いた。お酒でなくビールをご所望である。会には幾つかルールがあるが、ビールはご法度。先達が代表代行のUさんに問い掛ける。「特例を認めますか?」と。Uさんは「ルールはルールです」と厳しい。先達は参加者に問い掛ける。「わざわざ東京から参加したのだから、いいのでは」との声が優勢である。しかしUさんの裁定は覆らなかった。
 
 追加の料理が出る。大根と牛肉の煮込みである。ほどなく酒が尽きる。「そば会は宴会ではない」の原則のもと、追加はない。
 
 ここでメインデッシュのゆず切りが登場する。春はさくら切り、夏は青じそ切り、秋は菊切り、冬はゆず切り。竹ふくの看板メニューである。会場持ち回り制になっても、6月、12月の会場 は竹ふくに固定されている。青じそ切り、ゆず切りがお目当てだ。
 
 ゆず切りは、どんなに頼んでも1人1枚と決まっている。続いて「でわかおり」の新そばが出る。竹ふくらしい細切り。こちらはお代わり自由だ。1枚で十分という方、3枚食べる方、さまざまである。
 
 仙台衆の電車の時刻をにらみながら、おひらきの頃合いである。主人の山川敦司さん(59)夫妻があいさつに登場する。相澤先達から1月例会の予告があり、散会した。
 

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2,700円です。

カテゴリ:2020年 | 情報更新日:2020/01/05

第342回 高畠町「ゆうきの里さんさん」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第342回 高畠町「ゆうきの里さんさん」 の巻

菊地さんから驚きの健康講話を聞きつつ
ミネラルの大事さを学んだ異例のそば会
 
浦 井 雄 治
 
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 話が正鵠を射ていればいるほど、聞く人にはうさんくさく聞こえる。そんな事例は世の中にたくさんある。

 
 秋も深まった、高畠町。今回は二つの点で通常と異る異例のそば会である。会場がお店でない。同町和田地区に町が建てた「ゆうきの里さんさん」。農産加工体験館である。そばを打つのは地元のお母さんたち。もう1点は、メーンディシュがそばに加え、ホスト役である地元菊地良一さん(82)のお話であること。菊地さんは、我が国における有機農業発祥の地・高畠にあって、和法薬膳研究所を主宰し、健康と食べ物について提言、実践してきた。
 会場に着くと、野菜中心の折り詰めと漬物の小鉢、日本酒2合瓶(1合は180㍉っ㍑)が銘々に用意されている。お酒は地元米鶴酒造の「別撰吟醸酒」だ。相澤先達からこの時期に高畠を選んだ理由と、菊地さんの簡単な紹介があり、「乾杯!」。早速、菊地さんのミニ講話が始まる。
 「人生100年時代と言うけど、健康の上は何でしょう」。健康の上? みんなきょとんとしている。「病気がない、だけでは困る。元気でありたいですよね、皆さん」。元気でいられるキーワードは、ミネラルだという。「これから摘みに行くゲンキナは高ミネラル野菜です」。
 「私は病人のいない町づくりを目指して『和法薬膳研究所』を立ち上げた。食について正しい選択をすれば、末期がんだって手の打ちようがある。東海大や順天堂大と共同研究をしているが、あまり本当のことを言うと厚生労働省ににらまれる。ほどほどにしないと」「塩分を摂れば血圧に悪いという。でも塩と食塩は違う」「白米や小麦は毒がある。玄米を圧力釜で炊けばいいか。話はそう簡単ではない」「小豆だって毒がある。3回煮こぼすのはその為だ」。
 菊地節はとどまるところを知らない。23人の参加者は、みんなあっけにとられている。
 頃合いを見て、せいろの登場である。細打ち、量もたっぷりだ。菊地さん同地区を舞台にそば文化の振興にも努めてきた。今、ソバの新品種開発も進んでいるらしい。
 お酒も尽きたところで、ゲンキナを摘みに畑に行く。ゲンキナはツル性作物。寒さに備えて、ツルを刈り払いした後だったが、残りのツルから存分にお土産のゲンキナを頂いた。菊地さんは「大根を抜いてくるから、待ってて」。どこよりもおいしいという大根も1本ずつ頂いて、帰路に就いた。
 

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/12/05

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