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山形そばを食う会

第344回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第344回 山形市「寿ゞ㐂総本店」 の巻

「かきそば」と「せいろ」の2本立てに感謝満足
正月なのに雪のない暖冬の新年会を楽しんだ一日
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 暖冬、暖冬と言われる冬が続く。北山形駅に着いたら、雪が全くない。新年第1回の例会は、恒例寿ゞ㐂総本店(山形市宮町)と決まっている。冬限定のかきそばがお目当てである。長く参加しているが、雪のない1月例会は記憶にない。異常な暖冬である。

 
 なぜ正月例会がこの店なのかを、相澤先達に確かめたことはない。やはり風格のある老舗は、新年会を兼ねた例会にふさわしい。会場の座敷には、春陽さえ感じさせる明るい光が差し込んでいる。
 先達からの「明けましておめでとうございます」の挨拶で幕開け。「案内状に余計なことを書いたら、予想以上の反応があって……」。差し入れ歓迎、のことを指している。24人の参加者(飲まない人も含め)だから、本来ならお酒は2升(1升は1.8㍑)で差し止めだが、きょうは特別たっぷりありますよ、というシグナルだ。
 乾杯の後、初参加者、久々の参加者の紹介、挨拶がある。東京からわざわざ、の会員も顔が見える。
 銘々の突き出し皿には、正月らしくギンナンの串、田作り、エビがある。追っかけむきそばの鴨肉添えが出される。
 お酒はあればあるだけ、進み方のピッチが早い。先達が用意したのは米鶴酒造(高畠町)の純米酒生酛など3本。そこに差し入れが加わる。テーブルごとの青菜漬けも頂きながら、話が弾む。肴には天ぷら盛り合わせが加わる。カボチャ、春菊などに塩だ。
 ほどなくかきそばの登場だ。ぷっくりと肥えたかきが3個乗っている。これだけ肥えたかきを入手するには、長年店が蓄積したルートが必要だ。
 
 目でめでた後は、どの参加者も一気に平らげる。至福の時間である。つゆの濃さといい、そばの茹で加減といい、かきそばを出す店は山形でここだけというのがうなずける。三たてそば会で、種ものは本来ご法度だが、このかきそばだけは特別である。
 そばはこれで終わりかな、と思ったら、せいろが登場した。そば会本来のラインナップである。きょうの会費がいつもより高い理由が分かった。
 最後は正月らしく、仙台衆による「さんさしぐれ」が出て、お開きとなった。店から駅までは5分という距離ながら、酔いを考えて車を呼んだ。北山形駅では、階段を昇らないと仙台行きに乗れない。仲間の助太刀で何とか電車に乗った。

 


 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2020/02/05

第343回 山形市「手打そば 竹ふく」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第343回 山形市「手打そば 竹ふく」 の巻

ゆず切りを味わいながら一年を振り返る
会のルールを再確認しつつ楽しんだ例会
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 伝統といい、歴史という。いずれも形がない。350回になんなんとするわが三たてそば会例会。12月は会の原点とも言うべき竹ふくが会場である。集まった24人(満席)の顔ぶれを見回しながら「積み重ねは、参加者個人にとっても歴史になるのだな」と感じた。
 
 1年に12回ある例会。なのに竹ふくが会場の時だけ参加する会員がいる。「なぜ?」とお聞きしたくなるが、その方にとっては1年の暦の中にきちんと入っているのだ、きっと。
 
 テーブルには突き出し盛り合わせとむきそばの椀が銘々に置かれている。相澤先達のあいさつもそこそこに乾杯である。お酒は米鶴(高畠町)の純米酒など1升瓶2本(1升は1.8㍑)。それぞれのテーブルで話の花が咲く。
 
 と、そこでちょっとしたやり取りが参加者と相澤先達の間にあった。東京からわざわざ参加した会員がお一人いた。お酒でなくビールをご所望である。会には幾つかルールがあるが、ビールはご法度。先達が代表代行のUさんに問い掛ける。「特例を認めますか?」と。Uさんは「ルールはルールです」と厳しい。先達は参加者に問い掛ける。「わざわざ東京から参加したのだから、いいのでは」との声が優勢である。しかしUさんの裁定は覆らなかった。
 
 追加の料理が出る。大根と牛肉の煮込みである。ほどなく酒が尽きる。「そば会は宴会ではない」の原則のもと、追加はない。
 
 ここでメインデッシュのゆず切りが登場する。春はさくら切り、夏は青じそ切り、秋は菊切り、冬はゆず切り。竹ふくの看板メニューである。会場持ち回り制になっても、6月、12月の会場 は竹ふくに固定されている。青じそ切り、ゆず切りがお目当てだ。
 
 ゆず切りは、どんなに頼んでも1人1枚と決まっている。続いて「でわかおり」の新そばが出る。竹ふくらしい細切り。こちらはお代わり自由だ。1枚で十分という方、3枚食べる方、さまざまである。
 
 仙台衆の電車の時刻をにらみながら、おひらきの頃合いである。主人の山川敦司さん(59)夫妻があいさつに登場する。相澤先達から1月例会の予告があり、散会した。
 

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2,700円です。

カテゴリ:2020年 | 情報更新日:2020/01/05

第342回 高畠町「ゆうきの里さんさん」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第342回 高畠町「ゆうきの里さんさん」 の巻

菊地さんから驚きの健康講話を聞きつつ
ミネラルの大事さを学んだ異例のそば会
 
浦 井 雄 治
 
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 話が正鵠を射ていればいるほど、聞く人にはうさんくさく聞こえる。そんな事例は世の中にたくさんある。

 
 秋も深まった、高畠町。今回は二つの点で通常と異る異例のそば会である。会場がお店でない。同町和田地区に町が建てた「ゆうきの里さんさん」。農産加工体験館である。そばを打つのは地元のお母さんたち。もう1点は、メーンディシュがそばに加え、ホスト役である地元菊地良一さん(82)のお話であること。菊地さんは、我が国における有機農業発祥の地・高畠にあって、和法薬膳研究所を主宰し、健康と食べ物について提言、実践してきた。
 会場に着くと、野菜中心の折り詰めと漬物の小鉢、日本酒2合瓶(1合は180㍉っ㍑)が銘々に用意されている。お酒は地元米鶴酒造の「別撰吟醸酒」だ。相澤先達からこの時期に高畠を選んだ理由と、菊地さんの簡単な紹介があり、「乾杯!」。早速、菊地さんのミニ講話が始まる。
 「人生100年時代と言うけど、健康の上は何でしょう」。健康の上? みんなきょとんとしている。「病気がない、だけでは困る。元気でありたいですよね、皆さん」。元気でいられるキーワードは、ミネラルだという。「これから摘みに行くゲンキナは高ミネラル野菜です」。
 「私は病人のいない町づくりを目指して『和法薬膳研究所』を立ち上げた。食について正しい選択をすれば、末期がんだって手の打ちようがある。東海大や順天堂大と共同研究をしているが、あまり本当のことを言うと厚生労働省ににらまれる。ほどほどにしないと」「塩分を摂れば血圧に悪いという。でも塩と食塩は違う」「白米や小麦は毒がある。玄米を圧力釜で炊けばいいか。話はそう簡単ではない」「小豆だって毒がある。3回煮こぼすのはその為だ」。
 菊地節はとどまるところを知らない。23人の参加者は、みんなあっけにとられている。
 頃合いを見て、せいろの登場である。細打ち、量もたっぷりだ。菊地さん同地区を舞台にそば文化の振興にも努めてきた。今、ソバの新品種開発も進んでいるらしい。
 お酒も尽きたところで、ゲンキナを摘みに畑に行く。ゲンキナはツル性作物。寒さに備えて、ツルを刈り払いした後だったが、残りのツルから存分にお土産のゲンキナを頂いた。菊地さんは「大根を抜いてくるから、待ってて」。どこよりもおいしいという大根も1本ずつ頂いて、帰路に就いた。
 

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/12/05

第341回 村山市「そばやかた 樽石」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第341回 村山市「そばやかた 樽石」 の巻

山形の名物料理の数々と名物「なめこそば」
白寿のおばあちゃんを囲み全員で記念の写真
 
浦 井 雄 治
 
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 今月は昨年十月にも訪ね、肝煎りの相澤さんが今年の再訪を約束した、村山市の最上川三難所そば街道のうちの一店「そばやかた樽石」。集合した蕎麦好きの顔触れを数えると何と十七名! 時には三十数名にもなることがあるのがこの人数とは驚きだ。法事やら不幸やら町内会行事やらで常連の欠席が相次いだ由。思えば蕎麦会開始以来随分長い間、或る特定の蕎麦屋を例会場に定め、定員十六名で開始していたものだが、その頃を思い出す。

 
 今回もお店の名物おばあちゃんで御主人松田富夫さんの御母堂たかさんが、いつものように着物姿で凛として迎えてくれた。今年は白寿を迎えられ、村山市長や山形県知事のお祝いを受けられたとか。それにしても髪黒々とお耳も確かでお身体もかくしゃくとして、とても白寿を迎えられたお歳とは思えない。
 用意された地酒は高畠町は米鶴酒造の特別純米酒と純米吟醸酒の一升瓶各一本ずつ。地酒二本というのも蕎麦会開始以来の決まりだったが、その後山形の蕎麦屋巡りに変わり参加者数の増加に伴って一升瓶の数が増えて、時に蕎麦会と云うよりは幾分宴会の態をなすこともままあった。
 テーブルに着くと次々に料理が運ばれて来た。山形名物のおみ漬けと茄子の漬け物、ぜんまいの煮付け、同じく山形名物もって菊と黄菊の酢の物、砂糖と醤油で二時間掛けて煮詰めたと云うなんこ(いなご)の佃煮、きくらげのくるみ和え。これらの料理を代わる代わりにつまみながら、お互いに一升瓶からグラスに酒を注いだり注がれたりと地酒を堪能し、一ヶ月振りの再会に歓談していると、またまた追加の料理が運ばれて来た。にじ鱒の塩焼き、里芋と椎茸・牛蒡の煮付け、ささげの胡麻和え、山形名物あけびの油炒め。こうも山形名物を始め料理の数々が目の前に並んでくると、酒盃も進み、地酒二本のはずが、何やら少し酒が足りない気分になって来ないでもない。
 
 そしてお待ちかねの当店名物「なめこそば」が登場した。松田さんが持ち山で収穫したなめこが、蕎麦が殆ど見えない程に丼に入っている。この「なめこそば」を食べたいが故にここまでやって来た甲斐はあると云うもの。
 最後にたかおばあちゃんの長寿にあやかりたいと、全員でおばあちゃんを囲んで記念の写真を撮り、お別れした。
 

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/11/07

第340回 山形市「手打ち蕎麦・地鶏料理花火」 の巻

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山形三たてそばを食う会
第340回 山形市「手打ち蕎麦・地鶏料理花火」 の巻

オーナーの心意気が表れた豪華な料理
先達からは特例の「お酒追加オーケー」
 
穴 澤 鉄 男(元河北新報山形総局長)
 
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 会員は意外によく案内状を見ているのだな。都合で開会ぎりぎりに会場入りした私は、顔ぶれを見回してそう思った。なつかしい方があちこちにいる。

 
 今回の案内状に、会場の花火(山形市成沢)について相澤先達は特にコメントを入れていない。手打ち蕎麦と焼き鳥というユニークな組み合わせの店なのだが、さりげなく「手打蕎麦・地鶏料理」という冠を店名にかぶせているだけである。でも一度この店での例会に出たことのある会員はすぐピンとくるはずだ。
 今回も期待は裏切られなかった。早々とあいさつに現われたオーナーの山口忠吾さん(64)は「ツルムラサキのおひたし、冷奴のだし掛けを今回していますが、順次鶏のトマト煮、焼き鳥、天ぷらなどが出てきます」とメニューを紹介する。
 乾杯の発声もそこそこに1升瓶(1升は1.8㍑)が現れる。今回も米鶴酒造(高畠町)のラインナップ、純米酒などである。予告のあった鶏のトマト煮が大皿で出る。「銘々分ですか」と参加者。「はい」とお店の方。冷奴のだしに添えられた花ミョウガも季節がらうれしい。
 
 原則現地集合になってから、お酒を飲まない参加者が増えたことは以前にも触れた。26人の参加者の中で飲む人は半分強だろうか。ついつい酒がはかどってしまう。この会費でこの料理。普通では考えられない。「焼き鳥が出るまで、お酒を残しておかなきゃ」とある女性参加者。
「お酒が足りな目だな」。そんな雰囲気を感じたのだろう、相澤先達がご意見番のUさんとそっと会場を出る。先達は戻って来ると「Uさんのお許しを得たので、もっと飲みたい方は自腹で注文を。本来はご法度です」と宣言。何人かが手を挙げる。そうこうするうち、お待ちかねの焼き鳥が姿を現す。1人2本だが本格派だ。
予告のあった天ぷらは? 出ました、マイタケが衣をかぶって。板そばがゆで上がるのを待っていたのだ。大葉を伴って彩も豊か。板そばは皿盛りの細打ち二八。天ざるとしても楽しめる配慮である。「お代わりは?」と参加者の声。さすがに店からは「追加は300円頂きます」。
 
 それはそうだろう、こんなにごちそうが出た上に、そばのお代わりではバチが当たろうというものだ。

 

そば会にはどなたでも参加できます。希望者はFAX 023(634)6487へ住所・氏名・電話番号を記して申し込んでください。毎月、案内を差し上げます。会費は、酒代込みで2700円です。

カテゴリ:2017年1月号 | 情報更新日:2019/10/07

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