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浦井雄治の今月のおすすめ

浦井雄治の 今月のおすすめ [4月号]

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山形市 ジンギスカン 白 樺
自家飼育サフォーク種羊のジンギスカン
 あの一種独特の癖は全くない半生を食べる

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 自家飼育している羊を食べさせてくれるジンギスカン・バーベキューの店があると云うので行ってみた。店は山形市蔵王半郷にあり、山形大学病院の近くから県道二六七号(旧国道一三号)を南に進み、JA山形成沢支店の前を過ぎると、蔵王温泉への登り口の手前で道路左側に黒い顔の羊の絵を描いた看板があり、そこから左に坂を登る。

 御主人の佐藤政義さんのお話によると、山形市内で羊を自家飼育して提供しているのはここだけだそうで、自家飼育の店と云うのはあまり聞いたことがない。父の代からの店で創業五二年になるとか。

店のすぐ側に飼育小屋があり、常時一〇〇頭近くを飼っているそうだ。行ってみると、確かに毛刈り前なので毛で丸々と膨れた顔の黒い肉用のサフォーク種がいて、生まれて間もない子羊が母羊にまとわり付いていた。春に三〇頭余り生まれるそうだ。伊藤さんは父の手伝いをして飼育と料理の基本技術を修得し、岩手の小岩井農場を始め各地の牧場を見て回って腕を磨いたと云う。

店は家族だけでやっていて、羊の世話は伊藤さんが一人でやっていて、午前は羊の世話、午後は羊の餌作りと忙しく、春の出産時や初夏の毛刈り時は本当に忙しいそうだ。伊藤さんはお客さんに「また食べたい。また来たい。」と言ってもらえるよう、日々精進しており、献立の数も努力して増やしている。

 ジンギスカンを注文すると間もなく羊肉と野菜が運ばれてきた。先ず鍋の真中の盛り上がった箇所に羊の大きな脂の塊をドンと載せ、鍋の下廻りに野菜を入れ、脂と野菜の間の空いた部分に肉を載せて焼く。脂が溶けて流れると肉と野菜が程好く焼ける。新鮮な肉なので半生のままで食べた方が良いとのこと。脂跳ねもないのでエプロンの必要もない。

 半生に焼けた羊肉を、一切れつまんで口の中に入れて驚いた。ジンギスカンの羊肉と云うとあの一種独特の癖があるのが普通なのだが、全然癖はない。このように癖のない羊肉は初めて食べた。あの一種独特の癖のため羊肉は少々敬遠気味だったのだが、この羊肉には全く抵抗がない。また脂にはほんのり甘みが感じられる。伊藤さんは癖がなく、脂に甘みがあるのは餌に工夫を凝らしているからと言う。全く思いの外の舌福だった。

 

 家族だけで頑張っている店であり、伊藤さんが羊の世話で掛かり切りのこともあるので、昼は前もって予約した方が良いそうだ(特に大勢で行く場合は)。夜は比較的に対応しやすいとも。

カテゴリ:浦井雄治の今月のおすすめ | 情報更新日:2017/04/06

浦井雄治の 今月のおすすめ [3月号]

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上山市 湯蕎庵 味津肥盧
上山温泉で楽しむ石臼碾き細打ちの見事な二・八
 自慢の「づけ天そば」、牛肉の「にく南ばん」

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 底冷えのする日の夕方、仙台を後に高速バスで上山に向かった。目指すは上山温泉中心街・新湯にある「湯蕎庵 味津肥盧」で、温泉旅館・有馬館の隣にある。すっかり暗くなった頃、店先行灯を置いた入口の「丸に違い鷹の羽」の絞り染め抜いた暖簾を潜った。「味津肥盧」とは随分と凝った名前だが、店主の秋山弘吉さんが昭和四八年に創業した時に、「美味しい味が豊かに満ちる店にしたい。」との創業の思いを籠めたもののようだ。

 囲炉裏を模した卓の席に着くと、「かみのやま」と云う一升瓶の商標が目に入ったので、早速にその酒を注文した。この酒は、上山市内の酒店有志の「上山酒造り会」が造ったこだわりの吟醸酒「へのへのもへじ。美酒かみのやま」で、飲み口がすっきりとしたやや辛口の酒だと云う。肴は煮込み・漬物・アサツキ酢味噌和え。

 秋山さんは「ここでしか味わえないそば、もう一度食べてみたいと思ってもらえるようなそばを打つように心掛けている。」と言う。蕎麦粉は山形産でわかおりを主体とした石臼碾き粉を使用しており、割合は二・八。東京は足立区梅田の蕎麦屋「藪重」で三年間修行した息子さんが蕎麦を打っている。

 蕎麦は先ず当店自慢の一品で人気のある「づけ天そば」(九五〇円)を注文。
海老・キス・野菜等五品の天麩羅の付いたざる蕎麦だ。蕎麦は細打ちで香りもあり、腰があって喉越しも良く、見事な蕎麦に打ち上がっている。
鰹節と鯖節でだしを採ったつゆは程良い辛さで、腰があり喉越しのいい細打ちの蕎麦と巧く調和しており、今は蕎麦粉の熟成する季節とは言え、実に美味しく頂いた。
もう一つの名物は温かい「にく南ばん(八五〇円)で、鶏肉や鴨肉ではなくて牛肉が葱と共に蕎麦の上に載っている。山形でも肉蕎麦に牛肉と使う店はあまりない。温かい蕎麦は10月~4月の季節限定だ。
細打ち蕎麦・やや甘く感じるつゆと牛肉の味との調和がいい。他に、豪華な「割子そば」(一六八〇円がある。五段重ねの蕎麦(一・五人前)で、五種の薬味(なめこおろし・卵とろろ・筋子おろし・黄金イカ納豆・刻み葱)で食べ、海老・野菜等の天麩羅が付く。なめこと大根おろしで食べる二人前の「板そば」(九八〇円)、「にしんそば」(九五〇円)もある。

 

 地酒と蕎麦を楽しんでいい時間になった頃店を出たら、仙台行きの高速バスはなかった。仙台発上山行の高速バスは夜遅くまで運行しているが、上山発仙台行バスの運行は夕方までだったのだ。それでJRと高速バスを乗り継ぎ山形経由で仙台に戻った。

カテゴリ:浦井雄治の今月のおすすめ | 情報更新日:2017/03/07

浦井雄治の 今月のおすすめ [2月号]

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昔風の甘じょっぱい濃厚なつゆの九・一そば
 こだわりの牛肉の肉そば、鶏肉のとりそば

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 山形でも最近にない大雪の日、温かい蕎麦を食べたくて山形市内の蕎麦屋を訪ねた。ところは山形市城北町で、文翔館前の通りを西に向かい、第七小学校の近く、霞城公園の北西の角近くにある店「寿ゞ㐂支店」。店の前には広い駐車場がある。紺の暖簾を潜って店に入ると、椅子席と上がり座敷があり、いかにも庶民的な雰囲気の店だ。

 身体が冷えたので、先ずは山形地酒の燗を注文し、身体を温めることにした。山形の庶民的な蕎麦屋の常として、献立は蕎麦の他にもラーメン・うどん・丼物も揃っているが、やはり温かい蕎麦を注文した。燗酒を楽しんでいるうちに蕎麦が出てくるだろうという段取りだ。蕎麦は蕎麦粉九につなぎの小麦粉一の九・一で、やや色の黒い中太の蕎麦。地酒をしばし楽しんだところで注文した温かい蕎麦が出てきた。

 先ず肉そば(七五〇円)。店の御主人のこだわりとして、「肉と云うのは牛肉のことであり、肉そばの肉には牛肉を使うようにしている。鶏肉を使うそばはとりそばだ。」と云うことだそうだ。山形でも牛肉を使う肉そばを出している蕎麦屋はあまり聞かない。つゆは甘じょっぱく濃い味で、昔はこのような味のつゆの蕎麦屋があったなと思い出す。今は全体にすっきりした味のつゆの蕎麦屋が多いようだ。濃い味のつゆが中太の蕎麦に絡んで美味しく頂いた。次いで天ぷらそば(九〇〇円)が出てきた。中太の蕎麦、味の濃いつゆ、共に肉そばと同じだが、種は牛肉ではなくて天麩羅。肉そばとはまた違った美味しさだ。肉そば、天ぷらそば共に温・冷両方がある。

 他に蕎麦の献立としては、もりそば(六〇〇円)、ざるそば(六五〇円)、かけそば(六〇〇円)から、とりそば(温・冷 七五〇円)、おろしそば(温・冷 八〇〇円)等々、色々揃っている。

 蕎麦の他にもラーメンやうどん・丼物もある、家族連れにいい庶民向きの蕎麦屋だ。

カテゴリ:浦井雄治の今月のおすすめ | 情報更新日:2017/02/08

浦井雄治の 今月のおすすめ [1月号]

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常連客もびっくりの赤い内装に一新の新装開店
 ママさんも四代目に世代交替して再出発

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 師走に入ってまもなくの夜、山形駅東口にある居酒屋「かのや」が新装開店して再出発したと云うので行ってみた。店の前に立つと、店の看板が赤い色で「ふれ愛ダイニング KANOYA」となっていて、「KANOYAではふれ愛を通して、山形のおいしいお酒と料理が楽しめます。」とあり、以前に知っていた居酒屋「飲み食べ処かのや」とは一変した印象だ。中に入ると、店内全体が落ち着いた赤一色で装われ、白と黒の卓と椅子が置かれている。これまでの小上りの座敷もあった和風のいわゆる居酒屋とは激変していた。

 ママさんの伊藤令香さんは、これまでお母さんの「かのや」を手伝っていたが、新装開店を機に代替わりして店を引き継ぎ、四代目になると云う。新装開店は月初めだそうで、明治末期の創業だから一〇〇年余になるとか。令香さんは、これまでの「かのや」のお客だけでなく、若い人にも来てほしいからと、店の名前も平仮名の「かのや」からローマ字の「KANOYA」に敢えて変えたと言う。赤一色の内装と云う店内の激変振りには常連客もびっくりだそうだ。以前からお客も少しずつ世代交替しつつあったが、古くからの常連客も多く、新しい店での新しい献立は今考え中とか。以前の「かのや」の献立も残しつつ、新しい献立を増やしていきたいとのこと。


 何はともあれ酒は山形の地酒。純米大吟醸のグラスを手に、肴はフルーツサラダとニンニク茎・豚肉炒め。はて、この献立は以前の「かのや」にもあったろうか? 明るく華やかになった店内を眺めながら山形の地酒を楽しむ。店の雰囲気も一変だ。


 常連客が仲間と一緒に来た一団の客が宴を終えて帰って行った。山形駅前と云う地の利に加え、若い人にも合いそうな店内の装い。これからも個々のお客に贔屓にされるだけでなく、仲間の集まりにも利用されることだろう。ひと時山形の地酒を楽しんだ後店を出ると外は雪が散らついていた。山形にもいよいよ本格的な冬が到来したようだ。

 

カテゴリ:浦井雄治の今月のおすすめ | 情報更新日:2016/12/28

浦井雄治の 今月のおすすめ [12月号]

メイン

高畠町 二井宿そば
街道筋の旧宿場町の地域興しで開業した蕎麦店
地元二井宿産でわかおり碾きぐるみ粉の十割蕎麦

料理2
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 新蕎麦の季節となったが、今回は地域興しの一環で蕎麦屋を始めたという高畠町二井宿を訪ねた。二井宿は山形県置賜地方から宮城県七ヶ宿町に通じる江戸時代の二井宿街道の最初の宿場だった集落だ。最近集落の人々が地域興しのために二井宿わくわくプロジェクトを結成し、活動拠点として住宅を改造して「二井宿わくわく交流館」を開設した。交流館は集落の老人福祉や青少年育成等の活動の場として活用されているが、プロジェクト活動の一つが休耕地を活用した蕎麦の栽培と、交流人口の呼び込みともてなしの出来る場所づくりのための蕎麦店「二井宿そば」の開設で、昨年7月に交流館内に「二井宿そば」を開店した。交流館は、高畠町中心部から国道一一三号を西に向かい、集落に入って、二井宿郵便局の看板と「手打ちそば」の幟のあるT字路を右に入ると、すぐ右手にある。営業は土日祝日の午前十一時から午後二時までだが、予約すれば平日も可能とのこと。

 店主はプロジェクト代表の安藤悦弘さんがボランティアで務めて蕎麦を打っている。安藤さんは高畠町の南山形そば教室の菊地良一さんの指導のもとに、永らく趣味で蕎麦を打っていて蕎麦打ち技術を身に付けた。手伝いは同じ集落の西郡ひろゑさん。

 献立ては、地鶏なんばん(九〇〇円)、そばがき(六〇〇円)、もりそば(六〇〇円)の三品のみ。先ずもりそばを食べた。蕎麦は碾きぐるみ粉を使っているので色は黒く、細くも太くもなく食べやすい普通の太さで、腰もあり喉越しも良く、十割蕎麦の蕎麦の香りと味が口の中に広がる。つゆは色濃く、甘口のつゆが少なくない中では普通の辛口だ。山形名物の漬物の青菜漬(菊の花入り)と煮物の小皿が付いた。

 地鶏なんばんは冷たい蕎麦を地鶏肉入りの温かい漬け汁で食べるもので、味の濃い辛汁のつゆと、腰があり喉越しのいい食感の碾きぐるみ粉の十割蕎麦とが相互に引き立て合って美味しく頂いた。そばがきはふんわりと柔らかく練られた温かい蕎麦を黒い擂り胡麻にまぶしたりくるみだれに漬けて食べるもので、二通りの異なる味が楽しめる。地鶏なんばん・そばがきともに青菜漬と煮物の小皿が付く。現在、板そばを献立てに加えることを考慮中とか。

 貸切風呂(鉱泉)があり、板そば・山菜料理付きで一人二〇〇〇円だ。(要予約)

 客の中には仙台や福島から来る客もいるそうだ。

カテゴリ:浦井雄治の今月のおすすめ | 情報更新日:2016/12/07

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